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あきゆめくくる【萌えゲーアワード2016 純愛系作品賞 受賞】

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あきゆめくくる【萌えゲーアワード2016 純愛系作品賞 受賞】

投稿日 : 2021/04/13

今のところシリーズ最終作にて、ある種の終着点の作品です。

現在では活動を停止しているエロゲーメーカー、すみっこソフトさんのシナリオに渡辺僚一先生を起用した作品の第3弾です。一応、春夏秋冬の4作が出る予定だったのですが、『はるまで、くるる。』と『なつくもゆるる』、本作の3作品ですみっこさんの限界が来てしまい、最終作となる『ふゆくる』は発売されていないという悲しみを背負った作品です。 かなーり古い作品なので、知る人ぞ知る傑作といった立ち位置の作品なのですが、『はるくる』『なつくる』のレビューでも書かせていただいたのですが、前2作と同様にジャンルは「ハードSF」です。 本作の売りはなんですが? と問われればシナリオです。渡辺僚一先生の奇才と類まれなSF的な知識、そして春夏秋の3作品に通じているテーマとなるのですが、人間の狂気と元気をここまで丁寧に描いた作品もそうそうないので、シナリオゲー好きな方には是非おすすめの1作です。 「人間は3次元に特化した存在である」というのがシリーズを通してのテーマであり、本作はラブコメ×量子力学を大真面目に科学した、というトンデモ作品なのですが、筆者的には実のところ本作は『はるくる』『なつくる』のようなSF要素に感銘を受ける作品という訳ではありませんでした。 『はるくる』のファンブックにも描かれている内容ですが、当シリーズの命題は『はるくる』のヒロインである静夏の「元気って素敵だわ!」というセリフに集約すると筆者は考えています。ただ、渡辺僚一先生の場合、元気≒狂気≒バイタリティみたいなところがあり、事実上のシリーズ最終作にして、元気≒狂気≒バイタリティというテーマについてとことん深堀したある意味、集大成的な作品です。 なので、SF的な作品としては前2作の方が個人的にはおすすめです。本作は渡辺僚一先生の人生観や価値観について触れてみたいと思った方向けと考えます。 過度のネタバレを避けつつ、表現すると本作は人の狂気を肯定しています。狂気に酔っている自分を肯定し、狂気によってボロボロになっている自分をよしとし、ボロボロになることで自分を確かめ、他者の存在をも確かめる。そういった狂気≒元気を肯定している作品です。渡辺僚一先生の執筆したラノベに「狂っていることで、逆に自分を保っている」という意の内容があるのですが、本作は正にそれを体現した作品となりますので、気になる方は是非一読下さい。

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なつくもゆるる【萌えゲーアワード2013 シナリオ賞 金賞受賞】

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なつくもゆるる【萌えゲーアワード2013 シナリオ賞 金賞受賞】

投稿日 : 2021/04/13

『はるくる』や渡辺僚一先生が好きな方は是非。

現在では活動を停止しているエロゲーメーカー、すみっこソフトさんのシナリオに渡辺僚一先生を起用した作品の第2弾です。一応、春夏秋冬の4作が出る予定だったのですが、『はるまで、くるる。』と本作、『あきゆめくくる』の3作品ですみっこさんの限界が来てしまい、最終作となる『ふゆくる』は発売されていないという悲しみを背負った作品です。 かなーり古い作品なので、知る人ぞ知る傑作といった立ち位置の作品なのですが、『はるくる』のレビューでも書かせていただいたのですが、元々普通の学園エロゲーであった、作品が途中で頓挫してしまったところから、「ハードSF」として再構成したことにより、シナリオ面で評価され、今度は1からちゃんとした企画として立ち上がった作品ですので、エロゲーのリソース的な意味合いでは本作の方がしっかりしています。 本作の売りはなんですが? と問われれば当然のことながらシナリオです(筆者は春夏秋の3作でSF要素で一番感銘を受けたのが本作となりますので、SFが好きな方は是非)。『はるくる』と同様に、渡辺僚一先生の奇才と類まれなSF的な知識、そして春夏秋の3作品に通じているテーマとなるのですが、人間の狂気と元気をここまで丁寧に描いた作品もそうそうないので、シナリオゲー好きな方には是非おすすめの1作です。 『はるくる』のレビューでも少し触れたのですが、ネタバレを避けつつ本作について語ると、前作でも描かれていた「人間は3次元に特化した存在である」というところに更に重きを置いた作品となります。ネタバレになってしまうので、詳細はプレイしてみて下さると幸いなのですが、「3次元的な世界や存在の限界」についてあくまで科学的にアプローチした狂気の作品となりますので、気になる方は是非。 また、本作では『ガ●ダム』シリーズがテーマとして扱う所謂「ニュータ●プ」的な存在についてSFと生物学的な観点からアプローチをしています。「ニュータ●プ」を個人の覚醒や革新としてではなく、人間という種そのものの進化として捉えた場合、そこにあるのは決してユートピアではなく、むしろ人間にとっては異物であり、決してわかりあえる存在ではない、といったようなテーマを大真面目に扱っている唯一無二のエロゲとなりますので、未プレイの方は是非おすすめの1作です。

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はるまで、くるる。 DL版【萌えゲーアワード2012 シナリオ賞 銀賞受賞】

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はるまで、くるる。 DL版【萌えゲーアワード2012 シナリオ賞 銀賞受賞】

投稿日 : 2021/04/13

渡辺僚一先生の作品が好みな方は是非。

現在では活動を停止しているエロゲーメーカー、すみっこソフトさんのシナリオに渡辺僚一先生を起用した作品の第一弾です。一応、春夏秋冬の4作が出る予定だったのですが、本作と『なつくもゆるる』『あきゆめくくる』の3作品ですみっこさんの限界が来てしまい、最終作となる『ふゆくる』は発売されていないという悲しみを背負った作品です。 かなーり古い作品なので、知る人ぞ知る傑作といった立ち位置の作品なのですが、本作が誕生した経緯も結構複雑で(筆者はファンブックを購入していたヘビーユーザーでしたので知っているのですが)、本来『はるまで、くるる。』は今のようなかたちで開発された作品ではなく、元々のすみっこソフトさんの色が強いノーマルな感じのエロゲーとして企画されていたそうです。 ですが、この手の話は戯画さんの傑作の『ショコラ』などにも言えますが、途中でスタッフが欠けてしまい、素材だけあるところから、渡辺僚一先生や木緒なち先生らの手によって再構成したのが本作となります。 本作の凄いところは何といってもシナリオです。元々普通の学園モノとして企画されていた本作を「ハードSF」として再構成した渡辺僚一先生の奇才と類まれなSF的な知識、そして春夏秋の3作品に通じているテーマとなるのですが、人間の狂気と元気をここまで丁寧に描いた作品もそうそうないので、シナリオゲー好きな方には是非おすすめの1作です。 ちょっとネタバレを避けつつ内容に触れますと、本作は「人間は3次元に特化した存在である」というところに注目した1作となっていまして、本作というより、次作の『なつくる』でメインテーマとなるのですが、『ガ●ダム』シリーズなどが度々サブテーマとして扱っている、「人間は3次元に特化した存在ではあるけれども、事実として世界は3次元より高次元を仮定しないと説明できないことが多数あり、人間もまた3次元より高次元との関わりをもつ存在である」という命題に『ガ●ダム』シリーズなどとは別の方向からアプローチしている作品ですので、SFが好きな人は是非読んでいただきたい作品となっています。 上記のような内容を想定した場合に、宗教的な要素(例えば『ゼ●ギアス』『ゼ●サーガ』など)を踏まえて、高次元の説明をする作品もありますが、あくまで科学として本作はアプローチをかけているので、是非購入を検討されてみてはと考えます。

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アイギス総集編

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アイギス総集編

投稿日 : 2021/03/30

もとみやみつき先生の原作愛に溢れる同人作品でおすすめです。

往年の傑作エロゲ『キミのとなりで恋してる!』や、同人サークル「FRAC」の活動で有名な女性イラストレーターのもとみやみつき先生の同人作品となります。 もとみやみつき先生の特徴を簡単に説明すると、作画/キャラデザの面では、少女漫画的な可愛らしい絵柄×ヒロインが肉感的で大体巨乳を女性作家らしい絶妙なバランスで表現することに長けている作家さんです。また、作話という方面では、基本的に純愛一択となり、新装版『ヒメゴト・スイッチ』(筆者は「新装版は」おすすめしません)でも触れましたが、商業作では砂糖に砂糖をまぶしたような激甘いちゃラブを描いていらっしゃることに定評があります。 が、同人作品では(上記のような激甘いちゃラブがないわけでもないのですが)、先生の本懐と言って差し支えない、社会的に何らかの障害のある「報われない、叶わぬ恋」がメインとなりますので、ユーザーさん自身の嗜好にあわせて購入を検討されてみてはと思います。 本作については、FANZA GAMESさんの老店舗にあたる『千年戦争アイギス』のシビラ、セーラを主に取り扱った作品となります(※ヒロインごとリセットではなく、地続きの世界観です)。因みに先生の担当されたキャラも2019年に実装されています。 『千年戦争アイギス』を未プレイの方に簡単にシビラのキャラクター設定を説明すると、主人公である王子の親戚(従姉妹)にあたる、王子が治めることになる王国とは別の「北の大国」を治めるプリンセスで、ゲーム中の寝室では主に「婚前の性交渉は禁じられている」ことが言及されていますが、それ以外にも設定資料集などで明記されている内容として、「北の大国では、英雄王(王子の祖先)の血筋に近い者との婚約を禁ずる」という設定もあり、本人は所謂クーデレで王子に並々ならぬ好意を持っているのですが、「報われない、叶わぬ恋」であるという悲劇のヒロインです(セーラも、王子専属のメイドですので、本来は「身分違いの恋」という強い設定がありますが、本シリーズではシビラの報われなさを強調する要素として推されている印象が強いです)。 先にも述べたように、もとみやみつき先生はこの手の作話に造詣の深い作家さんですので、興味のある方には是非おすすめです。また、細かい設定なども拾ってくれているのでゲームのファンの方にもおすすめです。

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ヒメゴト・スイッチ

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ヒメゴト・スイッチ

投稿日 : 2021/03/30

ファンだからこそ、「人にはおすすめできない」と言わせて下さい。

往年の傑作エロゲー『キミのとなりで恋してる!』シリーズやご自身の同人サークル「FRAC」の活動で有名なベテランのイラストレーター/漫画家のもとみやみつき先生の2015年発売の商業作での初単行本『ヒメゴト・スイッチ』のリバイバル本となります(基本的に内容は同じです)。 新旧の表紙を見比べてみると、先生の絵柄の変遷がわかりやすく、少女漫画テイストのキャラデザ×巨乳で肉感的な女の子を女性作家ならではの絶妙なバランスで描くことに長けているという点は大きく変わりないのですが、書き込みがより細かくなった、特徴的なキャラデザは押さえつつも、全体的な造形に無理がなくなった、瞳の描き方がより魅力的なった等々、基本的には現在の絵柄の方がよりよいものになっていると思います(現在の絵柄でしたら「FRAC」の同人シリーズ『メイビーアイラブユー』シリーズなどがおすすめです)。 「FRAC」の作品群に触れたことのある方ならご存じと思いますが、先生は社会的に何らかの障害のある「叶わぬ恋」系のシチュにかなりこだわりのある作家さんです(例えば姪っ子だとか、ゲームをプレイしないとわかりづらいかもですが『千年戦争アイギス』のシビラなどその手の制約のあるヒロインを多く描かれています)が、本作はド直球のいちゃラブものの作品が多いので、「叶わぬ恋」系のシチュが可哀そうと感じてしまうユーザーさんにもおすすめの1冊です。 筆者は元々旧版の単行本を紙媒体で持っていますし、同人誌も多数所持している先生のファンの者ですので、本作も是非おすすめしたいですし、先生ご自身もTwitterで「描き下ろしと特典イラストの収録以外は以前の配信版と変わりありませんが、カラーイラストページがちょっと綺麗になったりはしてますのでなにとぞ~!」と仰っていましたので、本作の発売を楽しみにしていたのですが、電子版を購入してみて、「人にはおすすめできない」と残念な感想を持ってしまい、悲しみに暮れています。 というのも、少なくとも本作の電子版は解像度が最適化されておらず、色の濃淡がはっきりと出過ぎているため、旧版の紙媒体と比較すると、全体的に絵がぼけているように感じたり、作品によってはコマによってヒロインの髪の色が変わったように見えるコマがあったりと、はっきり言って読みづらい作品となっています(なってしまった)ので、おすすめできません。

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通勤道中であの娘がみだらな行為をしてくる話

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通勤道中であの娘がみだらな行為をしてくる話

投稿日 : 2021/03/24

大嘘先生の作品が好みなら、購入を検討してみてもよいかと思います。

プロのイラストレーターであり、漫画家でもある大嘘先生の同人作品となります。 大嘘先生のことをご存じの方にはいまさら過ぎる内容ですが、元々『東●Project』の2次創作で有名な方で、近年は2次創作というより、本作のようなオリジナルものの同人誌がメインとなりつつあります。商業でも活躍されており、それなりに認知度の高いものですと、『ア●ールレーン』のコンコードを担当されていたので、ゲームをプレイされたことのある方なら絵柄だけでも知っているのではないでしょうか?(因みに『ア●レン』の同人も執筆されてます) 大嘘先生は作家性という意味あいではかなり一貫しており、特徴的なキャラデザと、なによりも脚フェチというかニーソやタイツフェチという性癖に並々ならぬ情熱を持っている作家さんでして、JKプラス脚フェチ(ニーソやタイツフェチ)という要素を盛り込んだキャラや漫画を描かせれば、この人で間違いないかなといった印象です。 なのですが、上記のようなフェチズムからの発展として、作品によっては極端に加虐的であったり、逆に極端に被虐的であったりと、特殊性癖にどっぷりと浸かっている作品もある(JKシチュにも造けいが深いので、そこから発展したものもあります)ので、ユーザーさんの許容できるラインを見定めてから作品群に触れた方がよい作家さんとなります。 筆者は大嘘先生の作品でも比較的マイルド目な作品が好みなユーザーさんですので、その手のユーザーさん向けとなるのですが、本作というか、本シリーズは大嘘先生の作品群の中では比較的マイルド目な作品の方に分類されると思いますので、「通勤途中の電車の中でJKが痴女みたいに迫ってくるシチュ」がよほど刺さるようなユーザーさんでなければ、先に商業作の単行本を買った方が無難だと考えます。 その上で、単行本のおすすめはちょっと古めなのですが、『にーはいせっくす』となります。コスパの面を考えても同人作は内容に対しての値段がお高めの設定となっているので、とりあえず『にーはいせっくす』を読んでみて、この作家さん好みだな、という方はこちらの作品の購入を検討してみてもよいかと思います。 因みに余談となりますが、マイルド目な作品なんて興味ないよ、という方は比較的近年に発売された単行本の『Pet or Slave!!』や『JK・REFLE』がお勧めです。

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春情日和

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春情日和

投稿日 : 2021/03/23

『めるてぃーりみっと』収録作とは違った趣があってよいです。

プロ作家さんでもある、あるぷ先生の同人サークル「リンゴヤ」の同人作品となります。 『めるてぃーりみっと』のレビューでも描かせていただいたのですが、結構最近まで「商業作の紙媒体のある単行本がなかった」作家さんなのですが、主に『ラ●ライブ!』の同人作をメインに長く活動されている作家さんですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。 あるぷ先生の作風について軽く説明すると、『ラ●ライブ!』系の同人作では純愛よりの作品も多いのですが、傾向として純愛とは言い難いシチュも多く描かれており(要するにシチュが多様)、ハード目で下品なセックスに定評のある作家さんです。加えて、肉感的ですがリアル寄り過ぎない、アニメキャラでも通じるレベルのバランスの取れたキャラデザも支持される理由の1つであると筆者は考えます。 上記のような特徴のある作家さんなのですが、筆者が勝手に似た傾向にある作家さんと考えている、藤ます先生やいつつせ先生などと比較すると、お二人程、突き抜けた漫画の描き方はしていないと筆者は思います。藤ます先生ほど作話や世界観が強固ではなく、いつつせ先生ほど特殊性癖よりでない。この手の傾向にある作家さんと比較したときに「中庸」であるというところが、あるぷ先生の俊逸な点であり、エロ漫画としての実用性に直結していると筆者は考えます。 長くなりましたが、本作は所謂「サキュバスもの」であり、読めばわかるのですがベースとなる世界観は和風となります。ここで、おや? と思われたユーザーさんもいらっしゃるのではないかと思いますが、『めるてぃーりみっと』にもサキュバスもので和風の世界観をベースにした『闇憑村』シリーズが3話収録されています。 筆者が考えるに時系列的にも『闇憑村』をあるぷ先生がブラッシュアップしたのが本作ではないかと思われます。シチュ的には大枠はどちらもサキュバスものなので、ちょっと不穏な空気と基本は女性上位のプレイと本質的には同じなのですが、『闇憑村』と本作の決定的な違いは、サキュバスが和風か洋風か、純愛ものに近い内容かそうでないかの2点です。 ぶっちゃけると『闇憑村』は明治維新より数十年のド田舎が舞台なのですが、洋風サキュバスが出てくる違和感が凄い作品でした。対して本作は和風で一貫しており、なにより純愛よりの作品ですので、筆者的にはよりおすすめの1作となっています。

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めるてぃーりみっと 【デジタル特装版】

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めるてぃーりみっと 【デジタル特装版】

投稿日 : 2021/03/23

前作と比較しても、かなり実用性が高くおすすめの1冊です。

紙媒体もあるものとしては初の単行本となりますが、あるぷ先生自身はサークル「リンゴヤ」の方で長年活動されている作家さんですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか? 「リンゴヤ」の方で先生の作風を知っている方には今更な内容ですが、シチュは結構多様で、純愛とも言い難く、かつハード目なプレイも多々含んでいますが、大枠としては、凌●やレ●プといった所謂「女の子が一方的に可哀そうな目に遭う」シチュは控えめになっています。 ので、「ハードで下品よりなセックスが好みだけど、女の子が一方的に可哀そうな目に遭うのは違う」というワガママなユーザーさん(もちろん筆者もその一人です)のニーズにしっかりと応えてくれる作家さんであると考えます。加え、他のレビュアー様も挙げていますが、あるぷ先生は女の子を魅力的に描くということにかなり長けており、肉感的でありながら、リアル寄り過ぎないキャラの造けいやハードでありながら下品過ぎないプレイといった色んな面でバランスがよくなった(後述)ところが、おすすめのポイントとなります。 他の作家さんを引き合いに出すのはちょっと違うかもですが、似た傾向の作家さんとしては藤ます先生やいつつせ先生が挙げられると思います。このお二人と比較すると、 藤ます先生との比較:藤ます先生は「いつもの」レベルで作風が固定化されていますが、あるぷ先生には定番シチュみたいなものがない。 いつつせ先生との比較:いつつせ先生程、特殊性癖よりでない。作話がゴリ押し気味なのは通じるものがあります。 といった感じで、一言で表すなら「中庸」で、似たような作家さんと比較してもバランス感覚が非常によいというところが、特徴で作品の実用性につながっていると考えます。 長くなりましたが、その上で筆者としては、本作を強く推したいと思います。というのも、前作にあたる『はにーとらっぷ』は先に引き合いに出した、(最近の)いつつせ先生レベルの特殊性癖よりのシチュを多めに含んでいる作品で、特殊性癖が大好物な方ならまだしも、最低限の感情移入のためシチュや体裁が整っていないと無理! というユーザーさんにはあまりおすすめできない作品でした。 それらの反省? があってなのか『はにーとらっぷ』以後の作品を載せている本作はバランス感覚がよく実用性に長けた作品ですので、是非おすすめです。

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後輩日記。

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後輩日記。

投稿日 : 2021/03/07

森宮正幸先生の作風が好きならば是非。

主にデ○マスの同人誌で、有名な森宮正幸先生のオリジナル同人作品3作品(とおまけ本1冊 ※アップデートで追加されました)をまとめた総集編となります。 作品の紹介ページにも書いてあり、他のレビュアー様のレビューにも挙がっている内容ではあるのですが、所謂本番が少なく、具体的には時系列的に最後の作品となる『蒸し暑い日に、後輩と、畳の上で。』以外は所謂本番がありません(おまけ本は本番ありです)。 そのため、どうしても本番がないと無理なユーザーさんは、回れ右でよいかと思います。 森宮正幸先生のデ○マスの同人誌でも片鱗がみえますが、作家性として、本番の描写もよいのですが、そこに至るまでの過程やピロートーク的な描写が更に俊逸、みたいな傾向があります。ので、デ○マスの同人誌シリーズよりも本番の描写をあえて削った本シリーズは、少し前のエロゲーなどの時流であった「砂糖に砂糖をまぶしたかのような、甘いカップルのいちゃつきに基づいた幸せな世界」をずっとみていたいユーザーさん向けかと筆者は捉えています(筆者は「幸せな世界」をずっとみていたいユーザーです)。 ただ、基本的には上記で挙げたような、カップルの情緒的なものを重視するユーザーさん向けだとは筆者は考えているのですが、基になっている原作の同人誌の方が1冊あたり20ページにも満たないので、基本的に無駄な描写がありません。そのため、基本的な骨格は本番そのものというより、そこに至るまでの過程を重視しているのですが、情緒的なものを重視するユーザーさんの求めているほど描写が濃いか? と問われれば、そこまで濃くはないよと言わざるを得ない作品となっていますので、『後輩日記。』を1つの作品として評するならば、抜き特化でもシチュ特化でもない中途半端さが目立つ作品かなと個人的には思います。 長くなりましたが、エロ同人誌としては、デ○マスの同人誌の方が構成に無理がなく、実用性という意味でもおすすめです。それらを読んだ上で、森宮正幸先生の作風が好きならば本作の購入を検討されてみてはと思います。 筆者としましては、本シリーズは情は深いけれども表現が薄い(上手くない)ヒロインの描写が一貫して上手かったことと、『蒸し暑い日に、後輩と、畳の上で。』の内容にあたるパッション重視のセックスが前2作での燻りもあってか、すごくよかったのでおすすめの作品です。

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田舎ックス総集編

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田舎ックス総集編

投稿日 : 2021/02/23

先生のファンの方なら是非。ただシチュがダメな人もいるかと思います

年季の入ったオタクの方ならば、ご存じのことと思いますが、日本一ソフトウェアさんに所属されていた、イラストレーター・漫画家のRyoji先生(『マール王国の人形姫』などが代表作です )の同人作品シリーズとなります。 また本作は現時点で既刊となっている全5巻中の4巻までを収録した総集編となります。筆者はシリーズを全巻所持しているのですが、オマケの漫画やコスパを考えると、本作を購入し、気に入ったならば5巻の購入も検討するのがいいのではないかと思います。 1巻のレビューでも描かせていただいた内容となりますが、Ryoji先生はこの手のキャラについてかなり造詣が深く、俊逸なものがありますので、ロリ巨乳が好きなユーザーさんの方でしたら、購入を検討して問題ないと言えるくらいの高クオリティの作品群です。また、エロ漫画的には、ほぼ全編エロシーンと言っても過言ではない内容ですので、先に述べた性癖と合致しているユーザーさんであれば、実用性は十二分にあると考えます。が、抜き特化の作品ですので、男女の情緒的な内容を期待している方には不向きかと考えます。 加えて、シチュがダメな人もいるかと筆者は考えています。というのも、本シリーズのヒロインの柚はJCでありながら、それなり前に初体験を済ませている非処女で、男性経験も豊富。かつ土地柄の関係で、周囲もそれを容認し、逆に推奨していることが描写されていますので、ポジティブに捉えるならば、ロリ巨乳かつビッチでありながら無知というロマンが詰まったようなキャラとなります。逆にネガティブな面としては、3巻まで明確に描写されることはないのですが、ヒロインの柚が主人公以外の男性と普通にセックスをしますので、その手の描写が無理! という方には絶対におすすめ出来ません。 一応フォローとしては、NTRの重要な面である精神面については、柚は貞操観念が皆無な環境で育った娘であることが、しっかりと描写されており、複数の男性とセックスすること自体が悪いことである、という知識や認識がまるでありません(故に罪悪感がないという理由づけになっています)。その上で、主人公が独占欲をみせて、「自分以外とはセックスしないでほしい」という旨のお願いをすると「よくわからないけど、わかった!」と快諾してくれるので、全体的には「特殊性癖の詰まったいちゃラブ」といった具合になっています。

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青春フラジャイル

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青春フラジャイル

投稿日 : 2021/01/26

基本的にライトな世界観の作品ですので、気軽にプレイできます。

古のオタクには『ほめらじ』で有名なパープルソフトウェアさんの最新作です。 パープルさんの作品群の特徴としては、 ・克先生原画の特徴的なキャラデザが人気。これ目当てで購入している方もいらっしゃると思います。 ・シナリオゲーメーカーとして有名ですが、実は固定のライターさんがいらっしゃらないので、シナリオの出来が作品ごとにまちまち。 といった特徴が挙げられると思います。 近年の作品ですと御影先生がメインライターを務めた、『アマツツミ』およびそれの精神的続編にあたる『アオイトリ』が傑作といってさしつかえない作品で、筆者は特に『アオイトリ』にがっつり嵌ったのですが、本作でもリズ役を務める声優の秋野花さんが『アオイトリ』の海野あかりについて「この役を演じ切ることが出来たら生涯に悔いはないかもしれない」とコメントを残している(げっちゅ屋さんのコラムより)だけのことはあり、「それほどのものだった」ということは確かであると思います。 本作の話に戻ると、先に挙げた2作品が基本的にダークな世界観を基にしている作品であるのに対して、本作は基本的なベースをライトな世界観に置いています。また、FANZAさんの商品ページだと若干わかりにくいのですが、今回のメインシナリオライターは、鏡遊先生で『未来ノスタルジア』で若干パープルさんとトラブった経歴があるので、意外な抜擢と思いましたが、パープルさん側としては『未来ノスタルジア』のテイストを含んだ新作という依頼だったようです(公式HPの記事より)。記事の内容を読み進めると、『未来ノスタルジア』のリバイバルというよりは、現代に即した内容のキャラの明るく楽しい掛け合いをベースにときおりビターないしシビアな内容を盛り込んでいくみたいなド直球の王道エロゲーを目指していた旨が書かれており、全要素をプレイ済みの筆者としましても、その目論見は大成功をおさめていると感じました。 ので、『アオイトリ』のように「それほどのものだった」かどうかと問われると、正直『アオイトリ』が異常なクオリティの作品で、それに比べたら本作は「普通の良ゲー」といった感じの感想になるのですが、娯楽として気軽に楽しむ分にはこれくらいの内容の作品がありがたいと感じるユーザーさんも多いと思いますので、仕事帰りや休日のちょっとした息抜きに遊べる作品となっており、個人的には満足の1作です。

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【ぬきたし】抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか? 2【萌えゲーアワード2019 大賞 受賞】

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【ぬきたし】抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか? 2【萌えゲーアワード2019 大賞 受賞】

投稿日 : 2021/01/24

前作のシナリオが鼻についた、踏み込みが足りないと感じた方は是非。

Qruppoさんのギャグとシリアスの塩梅のよいシナリオが評価された、エロゲー、『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』の正統続編です。基本前作を全クリしていることが前提の作品ですので、本作からではなく、ちゃんと前作から読んでいく必要があります。 前作のレビューでも述べたのですが、ギャグ方面は、古のオタクに向けたようなネタが多く、2000年代初頭にすでにオタクだった人間向けのネタがふんだんに盛り込まれていますので、現在30~40歳くらいの古のオタクならギャグパートだけでもプレイしてみる価値があると思います。ギャグとシリアスの比率については、結構シリアスパートの比率が多めで、ASa Projectさんのようなギャグメインの作品を想像しているとギャグパートの少なさにびっくりします。体感としては、日常を軸にしているか非日常を軸にしているかという差異もありますが、HARUKAZEさんの作品群に近いくらいの配分かなと思います。 次にシナリオ面なのですが、筆者は前作で「社会(ディストピア)を支持するにしろ支持しないにしろ、同じ人間なのだから異なる価値観を持った者同士でも和解することができるはず、というかなり理想主義的な価値観を持ってして作話されている」ので、どうにも説教くさく思えてしまったのが残念だった旨のレビューを描いたのですが、本作のシナリオについては、前作のシナリオが説教くさく感じた方、または踏み込みが足りないのではないかと感じたユーザーさん向けの内容で作話されていました。 私はこの作品は基本的に古のオタク向けの作品と感じていますので、古のオタク臭く語らせてもらうと、『ぬきたし2』のシナリオのメッセージ性は前作よりもより踏み込んだ内容となっており、結局何が必要だったのかまで言及され好感が持てると感じましたが、基本的にはパロディ的な要素としてもよく作中に登場している『CROSS†CHANNEL』の結論とほぼ同じ内容で、それを具体的にすることでわかりやすくしたものと解釈しました。ので、クロチャンのエンディング、特に太一の語りの内容についてよく吟味したユーザーさんにはあまり新しい知見や感動を与えるような内容ではないと考えています。が、私のような厄介オタクにアレコレ考えさせている作品ですので、気になった方は是非1・2セットでおすすめです。

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おんなのこのにく

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おんなのこのにく

投稿日 : 2021/01/23

前作と比較するとうーんと首を傾げざるを得ません。

前作『ばっびゅ~ばびゅばびゅ』でビッチ+ハイテンション+コミカルといった要素を奇跡的な配分でエロ漫画化し、一部の界隈を賑わせた、いつつせ先生の単行本第2弾です。 前作のレビューでも触れた内容ですが、少し特殊な性癖に片足を突っ込んでいるような、ハードなプレイを独特のコミカルさとハイテンションでゴリ押し、更にそれを所謂ビッチもの特有のリアルよりのキャラデザでなく、美少女よりのキャラデザで展開していくのがいつつせ先生の作品の強みであると考えます。 前作の『ばっびゅ~ばびゅばびゅ』では上で挙げたような要素がかなり奇跡的な配分で漫画として纏められており、キュートでありながらハード、またコミカルでありながら実用性も十分といった絶妙なバランスで纏められていたと思います。 その上で、本作の話に戻すと、正直に言うと「やり過ぎ」です。前作の時点で、女性上位ものが多く、中には異種○もののような内容の話も収録されていたのですが、基本的には実用性重視だったのに対して、本作は基本シチュ特化(ソフト/ハードの軸というより、シチュそのものがかなりアブノーマル)で、シチュだけで回れ右な話が多いと感じましたので、前作が気に入ったからといって、続けて本作を買うのは少しリスキーかなと思えるレベルになっていると感じました。 前作でもそこまでやってなかったようなシチュのマニアック化(疑似的にしろ産卵とか出産、度が過ぎたSMなど)が進行しており、全体的に性癖をニッチ寄りに特化し、万人に受けるような意味合いでの実用性を犠牲にしているように感じましたので、前作の幼なじみシチュ程度の作品が一番性に合っているなと感じた筆者としては、本作は、うーんと首を傾げざるを得ません。もちろん性癖やシチュに特化した方が刺さる人には刺さる1冊となるのは間違いないので、購入される際は、他の方のレビューやサンプルなどをよく吟味してからの方がよいかと考えます。筆者はいつつせ先生の単行本だし、まあ大丈夫だろとよくリサーチもせずに購入してしまい、若干後悔しているユーザーですので、購入の際は当レビューも一助となれば幸いです。

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【ぬきたし】抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?【萌えゲーアワード2018 シナリオ賞・ニューブランド賞 受賞】

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【ぬきたし】抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?【萌えゲーアワード2018 シナリオ賞・ニューブランド賞 受賞】

投稿日 : 2021/01/20

しっかりディストピアものの作品で、思ったよりシリアス多めです。

Qruppoさんの処女作にしてギャグとシリアスの塩梅のよいシナリオが評価された、近年にしては珍しいタイプのエロゲーです。 まず、ギャグ方面は、時事ネタもあるのですが、どちらかと言えば古のオタクに向けたようなネタが多く、2000年代初頭にすでにオタクだった人間がクスリとしてしまうようなネタがふんだんに盛り込まれています(まさか2018年になって『CROSS†CHANNEL』ネタがあるエロゲーが出るとは誰も予想していなかったと思います)ので、現在30~40歳くらいの古のオタクならギャグパートだけでもプレイしてみる価値があるかなと思います。ギャグとシリアスの比率については、体感ですが、結構シリアスパートの比率が多めで、例えばASa Projectさんの系列の作品を想像しているとギャグパートの少なさにびっくりします。そもそも日常を軸にしているか非日常を軸にしているかという差異もありますが、HARUKAZEさんの作品群に近いくらいの配分かなと思います。 次にシリアスパートというかシナリオ面なのですが、かなりしっかりとしたディストピアものの作品となります。先に述べたような30~40歳くらいの古のオタクなら、そもそもディストピアもの自体に何かしらの意見を持っている方が多いのではないかと思うのですが、本作はディストピアそのものの変革プラス「社会(ディストピア)を支持するにしろ支持しないにしろ、同じ人間なのだから異なる価値観を持った者同士でも和解することができるはず」というかなり理想主義的な価値観を持ってして作話されているので、少々捻くれた筆者のようなオタクとは基本的に相性がよくないかなと思いました。 好きずきだと思うのですが、筆者はこの手のシナリオは説教じみていると感じる類の人間で、近年の作品ですと『ペ○ソナ5』や『ドーナドーナ』のような社会そのものの変革というよりも、反抗する姿勢に価値観を置いて、オチとしても閉塞感に風穴をあけてやった程度の成果でよく、ただ個人の物語としてはしっかりと本人たちが納得するかたちで完結しているという方向性の物語が個人的には好みです。ので、本作のシナリオの出来についてはかなり俊逸なものを感じましたが、価値観についてはあまり共感できず、カタルシスが薄めでした。いずれにせよ、ここまで厄介オタクに考察させている時点で作品としては、勝ちだと思います。

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アマカノ2【萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 受賞】

アダルトPCゲーム

アマカノ2【萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 受賞】

投稿日 : 2021/01/20

シリーズファンなら是非。ただ時流に乗っているかは微妙です。

『アマカノ』シリーズは、あざらしそふとさんさんが『LOVELY×CATION』シリーズなどを参考に、原画:ピロ水先生、シナリオ:龍岳来先生で製作した、恋愛ADVゲームで、「等身大の恋」「甘えたがりな彼女」をテーマに、とにかく主人公とヒロインの1対1の恋愛関係を描くことに注力した作品です。厳密には複数のヒロインのうちから1人を選ぶ方式なので、狭義的な意味では1ヒロインものではないのですが、『LOVELY×CATION』シリーズと同様に、ヒロインとの恋愛と直接関わらない、日常シーンは極力省いて、ヒロインとの恋愛に集中してもらうというスタイルなので、実質1ヒロインものとして考えて大丈夫で、この手のジャンルでは金字塔的な作品といっても過言ではないと思います。 その上で、本作は前作にあたる『アマカノ ~Second Season~+』から2年半ほど経っていたので、久々の新作となります。以前、過去作のレビューでも述べたのですが、筆者は当シリーズの大ファンで、全作品を通してプレイしているのですが、主にキャラゲーとしては初代『アマカノ』が優秀で、対して『アマカノ2s』は、ライターさんが描きたかったシナリオが描けたという旨の発言(公式ファンブックより)をしているだけのことがあって、シナリオゲーとして優秀と思います。また、賛否あるかと思いますが、FDでは、各ヒロインとの結婚から出産まで明確に描かれており、「正直これ以上描く内容があるのか?」と思っていたころに、本作の発表があったので、どのような内容になるのか気になっていました。 結論から言ってしまうと、シリーズのファンの方にはおすすめの作品です。が、『アマカノ』シリーズのコンセプト自体が古め(この手の1ヒロインもののは、パルティア教団さんの『1room -家出少女-』のような同棲SLGが主流になったと筆者は考えています)であるため、シリーズのファン以外のユーザーさんが触れてもちょっと古い印象を拭えないかなと思います。ゲーム自体はかなり丁寧で高水準なのですが、それ故に上品過ぎるきらいがあり、シリーズを通して感じていた粗削り故のリビドーやパッションも少なめに感じられ、原画のピロ水先生の作風の変化(全体的に大人びた感じのキャラデザ+汁描写がリアル寄りになったなど)も相成って、高クオリティだけど一歩踏み込みが足りない作品と感じました。

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【スタステ】スタディ§ステディ

アダルトPCゲーム

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【スタステ】スタディ§ステディ

投稿日 : 2021/01/06

購入する際は、他の方のレビューも絶対に参考にして下さい。

老店舗、まーまれぇどさんの執筆時点での新作にあたる作品です。 『お家に帰るまでがましまろです』のレビューでも述べたのですが、ままれさんの作品群は、王道的な萌えよりのエロゲーといったところで、同じ方向性のメーカーさんとしては、ゆずソフトさんやまどそふとさんなどが挙げられますので、エロゲ初心者の方は、エロゲの文法のいろはをおさえる意味合いでも、 まーまれぇどさんの『お家に帰るまでがましまろです』 ゆずソフトさんの『サノバウィッチ』 まどそふとさんの『ワガママハイスペック』 のいずれかをプレイするのがおすすめです。また、上記のメーカーさんの中でエロ要素が一番濃いのがままれさんとなるので、エロを重視したい方は『お家に帰るまでがましまろです』が最適と考えます。 そんな初心者にもおすすめのままれさんの最新作が本作なのですが、『ましまろ』と比較すると、E-moteと、主人公の名前呼び(『ラブリケ』のラブリーコールと同じ)が採用されており、かなりの意欲作と言えます。が、まず「おま環」でもあるのですが、E-moteによる要求スペックの高さが原因となっていると考えられる、エラー落ちが多発しており、2021年1月現在でもマシンスペックによっては、エラー落ちでまともにプレイできない作品です。ので、必ずマシンスペックを確認の上、購入する際は、他の方のレビューも絶対に参考にして下さい(スペックを満たしていてもエラー落ちの報告があるので)。因みにPCへの負荷を抑えるような設定は一切できない仕様となっていますので、ままれファンの筆者でも流石に擁護し切れないゲームとなっています。 また、名前呼びのシステムについても、本家と比較すると実装されている名前が少ない、かつ1つの名前に対しての声のパターンも少なく、かなり違和感のあるシーンが多いです。 それ以外は、原画を変更した点(個人的にはさそりがため先生を起用していないのがショックでしたが)以外は、いつものままれさんと言いたいのですが、シナリオについても、E-moteの実装に伴い、1画面に対して基本的に1名しかヒロインを出せないようで、ヒロイン間の横のつながりが皆無に等しい内容となっていますので、エロゲのいろはを把握するのにちょうどよいシナリオでも無くなったので、本当に色々と残念です。一応評価点としてはエロ要素が現状1番強い作品となります。

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田舎の出会い系ギャルは巨乳処女!?

同人(二次元)

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田舎の出会い系ギャルは巨乳処女!?

投稿日 : 2021/01/04

なかじまゆか先生のファンの方ならば是非。

『パパのいうことを聞きなさい!』『甘城ブリリアントパーク』などで有名ななかじまゆか先生の同人作品の現時点での最新作となります。 他の作品のレビューでも述べたのですが、なかじまゆか先生は描いている年代によって、結構絵柄の変遷のある作家さんですので、本作が出ている段階ですと、 ・デフォルメが過ぎない(度合いが低め)の美女/美少女キャラの作画に長けている ・瞳の描き方がすごく印象的 といった特徴を挙げることができるかなと思います。 本作の内容の前に同サークルさんは、『人妻幼馴染とひと夏のできごと』と『大人馴染』シリーズが連続もののとなっており、それぞれNTRもののとハーレムものとなっていますので、本作については、シチュがわかりやすい処女ビッチものとなっていますので、先に挙げた既刊のシリーズものとは少し毛色が異なり純愛に近い内容となっていますので、元から同サークルの作品の変化球めいた作品が好みな方には注意が必要です。筆者としましては、なかじまゆか先生の「絵柄や作画のファン」なのですが、作話に関してはあまり好みでなく、特に ・主人公の男性が性欲に素直すぎて、ナチュラルにゲスいケースが多い。 ・対応するヒロインもなんだかんだで状況に流されやすすぎ。 という傾向があり、シリーズものですと、これらの傾向が更に煮詰まって強化されることが多いので、まだ掘り下げが浅いシリーズの1段目ないしは、本作のような(恐らく)単話の読み切りの作品の方が個人的には好みです。 因みに本作についても、最終的にはお互い相思相愛な関係に落ち着きますが、そこにいたるまでの過程において、主人公の男性がヒロインが処女ビッチである気づいた後、色々と自分に都合のいいように扱っているので、他作に比べるとゲスく無責任な感じは薄いのですが、根本的にはいつもの主人公像と同じです。そして、この手の性欲に素直な男性とヒロインの作話がDigital Loverさんのメインとなっていますので、とりあえず本作を購入してみて、ある程度好みにあえば、他の作品も検討してみてはと思います。 色々とこき下ろしてしまったのですが、男ってこんなもんでしょと言わんばかりに、情緒的な交流はほぼなしに女って気持ち良い、みたいな快楽に耽っている主人公像に一種のカタルシスを感じる方もいらっしゃると思いますので、好みがあえば是非おすすめの作品群です。

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セックスフレンド

同人(二次元)

購入・利用済み

セックスフレンド

投稿日 : 2020/12/29

NTR特有の昏い感情がなく、後読感のよいという稀有なNTRです。

サークルさんの過去作を知っている方ならばご存じのことと思いますが、牧野駅さんは基本的に読んでいて、後を引くような作品はなく、NTRモノであるハズの本作においても同様となります。 ので、NTRモノの特有の昏いドロドロしたいような感情や展開は基本的にないので、その手の感情移入をして楽しみたいという方には不向きな作品となります。が、逆にNTRモノがさして好みでないけど、純愛モノばっかはなぁ…、という欲張りなユーザーさんには刺さっている作品となるので、おすすめです。 簡単にシチュ(キャラ)を説明すると、 ミカ(金髪)→主人公からみると、ほぼゆきずりでセフレになった彼氏持ちの娘。色々フォローが上手すぎ。 綾乃(黒髪)→主人公の「親友の彼女」で、主人公が好意を抱いていた相手。性に関しては色々と淡泊だったみたい。 で、ミカが主人公に彼氏持ちだったのを黙って関係をもち、主人公がミカを好きになったけど、彼氏がいるので恋人は無理。でも、その埋め合わせはしてやんよみたいなテンションで、彼女のフリをしてくれたり、主人公が好意を持っていた綾乃を抱くことをなんやかんやで手伝ってくれたりして結果、2人の恋人にはなれないけど、2人とも抱くことはできました。 上記のように、NTR好きにとっては雑! と言わざるをえない超展開の作品となりますが、他のレビュアーさんも挙げているように、ミカがよい女過ぎ、かつ徹底して「エッチは明るく、楽しく」を守っているので、状況的にはNTR、かつ疑似スワッピングなのですが、シチュのジャンルとしては、ハーレムもののそれに近いものがあります。なので、NTRとハーレムものの中間でかつ、あまり誰も傷つかない程度のコメディタッチで描かれている本作は、「NTR特有の昏い感情がなく、後読感のよいという稀有なNTR」に仕上がっていると感じました。 最後に、これも他のレビュアーさんが挙げている内容ではありますが、ミカが本当に良いキャラをしているので、主人公とミカのセフレのような悪友のようなこの微妙な関係が本当によい味を出しているので、おすすめの1冊となります。執筆段階で3巻まで発売されていますが、基本的にはいつもの牧野駅さんのコメディ色の強い作品群といった具合で纏められていましたので、1巻を読んで気に入った方は次作以降もおすすめです。

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9―nine― ゆきいろゆきはなゆきのあと

アダルトPCゲーム

9―nine― ゆきいろゆきはなゆきのあと

投稿日 : 2020/12/24

グダらずにこの手のセールスでやり遂げたのは、凄いです。

老店舗ぱれっとさんのシリーズものの第4弾で、fengさんの『セイイキ』シリーズなどと同様に、1作ごと、スポットのあたるヒロインが変わりますが、基本的な世界観や設定などは引き継ぎです。これまでのシリーズ作品のレビューでも書きましたが、このように作品を展開する場合、メリットとしては1作品ごとの規模がコンパクトなものになり、がっつりと時間や資金をかける必要がなくなるため、単純にプレイしやすくなります。デメリットとしては、先に挙げた『セイイキ』同様、後の作品になればなるほど、スポットされるヒロインがメインヒロインの造形とは離れていってしまうため、シリーズ全体を完走しにくくなるという点です。が、本シリーズは単純なキャラ萌えゲーではなく、異能バトル+サスペンス要素が強く追加されているので、物語の真相を知りたいユーザーさんはそれがフックとなるので、比較的、完走しやすくなっているのではないかと筆者は考えます。 長くなりましたが、ep4にあたる本作は、執筆段階で発売予定の、未完であるep1の補完を主としたFDに収録される内容を除けば、ここまでに紡がれてきた物語に決着をつける完結編となります。本作のヒロインは中二病的な発言の目立つ、一見クールな女の子である「結城希亜」であり、今までのepでは比較的出番が少なめだった彼女にようやくスポットがあたり、可愛らしい一面をみることができます。希亜はギャップ萌えに特化したキャラと感じましたので、その手の造けいのキャラが好きな方におすすめです。 一応、キャラづけの配分としては、 「九條都」(ep1)「結城希亜」(ep4)が正統派のヒロインよりで、 「新海天」(ep2)「香坂春風」(ep3)がギャグというかネタより、 といった感じでそれぞれのヒロインが魅力的に描かれていたと思います(特に天の紙袋はゲームを未プレイでも知っているよという方いらっしゃると思います)。 また、本シリーズはサスペンス+異能力バトルものであったため純粋に飽きが来なかったのもプラスポイントで、その点『セイイキ』『家の彼女』などと同じセールスのやり方の作品と比較しても優れていると感じました。 最後に、本作の最大の魅力は主人公「新海翔」の存在であり、ある意味ずっとスポットの当たっていたキャラなので、愛着も湧きますし、是非彼の活躍を「相棒」として、見届けてあげて欲しいと思います。

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【期間限定】CUBEコレクションボックス カントクエディション DL版

アダルトPCゲーム

【期間限定】CUBEコレクションボックス カントクエディション DL版

投稿日 : 2020/12/21

カントク先生のファンの方ならば、おすすめです。

老店舗CUFFSさん系列のゲームブランドであるCUBEさんの2014年~2015年のカントク先生原画の2作品のセットとなります(『your diary』の完全版と『恋する彼女の不器用な舞台』の2作です)。 詳しくない向けに補足すると、 CUFFS→『水月』の主要スタッフにより立ち上げられたブランド。『さくらむすび』『ワンコとリリー』で、トノイケダイスケ先生によるシナリオが非常に評価されたのですが、続く『Garden』を未完成のままゴリ押しで販売したのをきっかけにブランド自体が信用を失い、以降は傘下のブランドがメインに。 Sphere→アニメ化までした『ヨスガノソラ』で有名な系列ブランドの1つ。よくも悪くも『さくらむすび』をライトな感じにした『ヨスガノソラ』ですが、メインヒロインである穹の圧倒的な人気を誇るので、作品自体も有名に。ですが、以降の作品は鳴かず飛ばずな感じ。 CUBE→本セットにも含まれている『your diary』でカントク先生を原画に起用し、キャッチーな方向に舵をとった系列ブランドの1つ。CUFFS系列ということで、ブランドもユーザーもシナリオゲーの方向を向いていたので、例に漏れずその類なのですが、先に紹介した『さくらむすび』『ワンコとリリー』『ヨスガノソラ』と比較するとそこまで、シナリオの質がよいかと言われると、微妙な感じです。が、後ろ向きで内省しがちな主人公とそれに共感するか、ないしは引っ張っていってくれるヒロインとの関係性を描いたシナリオという意味ではCUFFS系列らしさはしっかりと保てていると筆者は考えます。また、『your diary』は先に述べたような「らしさ」を保ちつつ、カントク先生原画によるビジュアル面でのライトさのバランスがよい良作です。続く『恋する彼女の不器用な舞台』は、ブランド側がシナリオを評価されたと誤認したためか、発売前はシナリオゲーとしてかなり推されていたのですが、シナリオの質が担当ライターさんによりけりな感じだったのでちょっと方向性が迷子な感じの作品となっています。ただ、シナリオゲーブランドとしての可能性を残せたため、後年の『神様のような君へ』で刺さる人には刺さる作品と評価されており、シナリオゲーが衰退した現在ではそれなりの評価を得ている稀有なメーカーさんです。また、系列ブランドでは唯一動いている点もよい点です。

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