十四郎さんのレビュー

たまに相撲中継なんかを見てると、この人達は引退したらどうするのだろうかと思う。横綱になるとか、そこまで行かなくても協会に残れる人ならいいが、全員というわけじゃない。なんと言っても、２１世紀だというのに、ちょんまげ結って裸で仕事をしている人達である。せいぜい３０代半ばが限界で引退した後、他の仕事が出来るのだろうか。ちゃんこ屋とかいってもねぇ 女のほうも、ちょんまげこそないものの裸で仕事をしている人達がいる。この人達も売れていっぱい儲かるとか、芸能界に転進するとか出来ればいいが、そうじゃない人のほうが多いだろう。そうじゃない部類に入りそうな気配が、この作品にはプンプンしている まぁ女の場合、ずっと裸の仕事を続ける途もあるにはあるが、それなりに歳がいったら、ちゃんと服を着た仕事がいいに決まってる。たまたま出演作を見たよしみで言うのだけど、彼女達のこれからの人生に幸多かれと、願わずにはいられないな

三流スプラッタームービーに出てきて、イの一番に、しかも真っ裸で殺されちゃいそうな偏差値の低い姉ちゃんが次々とナンパされ、これまた箸にも棒にもかからないナンパ女（一人はナンシー）と中途半端な絡みをご披露なさってくれている。顔出しの子は“仕込み”だろうし、仕込んでいてこのレベルにしかならないシロモノに、目くじら立ててもしょうがないけど、ここまで場の空気が“極寒”なＡＶも久しぶり 前の晩、安酒で酔っ払って駅のトイレでさんざん吐きまくった挙句、鞄から財布から何から全部失くして途方に暮れてる人間には、自分よりサイテーなことやってる奴が存在するということで、何がしかの勇気と希望を与えてくれるのかもしれないが、まともな人間は近づかないほうが無難 でも、そう言いつつ、こうやって律儀にレビューまで書いてしまっているオレは、ＤＭＭさんの模範的ユーザーってこと？　それとも、やっぱり、奴らと同類だったってこと？

現時点で１１作を数える「本格レズ」シリーズの第一弾（だと思う） 収録時間６０分。出演女優３人（たまに４人）。最後はペニバンというこのシリーズの“お約束”は、既に確立している。ただ、まだ予算が多くつかなかったのか、どういうスタイルにするか模索中だったのか知らないが、舞台設定やストーリーは、この後のシリーズ作品に比べても“ことさら”チャチな感じ 同じ団地に住む市川京子と石川文子が２回ほどレズった後、引っ越してきた大友園子を旦那がいない隙に石川が強●的にレズってしまう。「夫に内緒の情事」と謳っているが、こんなにあっさり堕ちて、ペニバンでよがる妻を見たら、夫はただ呆れるだけだろう。市川×石川の１回目の絡みが、シリーズの幕開けを記念して、まあまあ良かったという朧げな記憶がある （女教師を虜にした生徒の性癖、に続く）

夏目みうは「ミュウ」とも言って、レズ未経験の子をレズに導く“お姉さん”的役柄で、レズものに良く出てくる女優。ナンシーもそうだし、三上翔子みたいな人が他にもいるんだね。「リコ」も入れたい気がするが 女子高生（鶴瀬）が保険医（夏目）によってレズ開眼し、今度は自分の担任（桐島）をレズに引きこむ。夫の浮気に悩むあまり、娘（鶴瀬）に八つ当たりする母親役を小沢志乃が演じていて、この人が一番上手だったかな。夏目が小沢を強●的にレズって、結果として荒れた心を癒す？という挿話が端的に示すように、ストーリーの流れはいたってご都合主義で、見る側の理解を“無理強い”するもの そう言えば、必ず一度は強●レズのシーンがあって、これもシリーズの定番。この作品では、全部強●レズだな。ただし、この頃は未だ３Ｐがない （美人女将　人知れぬ性の遍歴、に続く）

夏目と桐島がまた出てくる。このシリーズ、女優が順列組合せで出演しているのも特徴の一つ。最近の作品のクレジットを見ると、総とっかえになったようだが 離婚後の傷心？旅行に出た桐島にツアコン役の夏目が同道し、美麗（どういう名前だ！）が女将をやってる旅館に宿泊。ノンケの桐島は、レズの夏目と美麗（書いててムカツクよ！）によってレズ開眼。最後は多分このシリーズ初の３Ｐ。わざわざロケに出て、旅館を借り切ったりしてるわりには、小手先で書かれた下手なシナリオで、内面的に全然迫ってこない。なにより、ストーリーと絡みが有機的に結びついてないのが致命的。しつこいけど、美麗という名前だけで萎える。自分的には、このシリーズを見た中で最低の出来。いつまでも「遍歴」していてくれ （３０路女ふたり旅ハード情交、に続く）

８月、９月に１作ずつ加わり、計１３作になるらしいこのシリーズを５作見ているが、自分が見た中の最新作。３人出てくる出演者のうち２人は、もう記録するのを放棄していたので分からない。シナリオ、人物設定は「美人女将 人知れぬ性の遍歴」と驚くほど、いや、芸がないほど同じ。ただ、女優の質は、今作のほうが上回っている ＡＶの虚構世界で、“作り物”としてのSEXに意味を持たせるのが、ストーリーだと思っている。「本格レズ」なんて“やる気満々”なタイトルを冠してる以上、自分が期待したのは、ペニバンだの３Ｐだの強●レズだの、ましてや女同士の温泉旅行なんかじゃなく、細部まで緻密に練られたストーリーだった。まだ未見の作品があるし、これからも新作が発表されていくのだろうが、このシリーズにあるのは、ストーリーではなく単なる“状況設定”だということに、ようやく気が付いた （もう続きません）

起承転結なストーリー 起－学校の教室、水着姿のレズ。彩の責めを愛が受け入れ、二人の愛情が確認される 承－バイト先の更衣室、ウエイトレスの制服姿のレズ。愛が積極的にリードすることによって、二人の関係の進展ぶりを暗示している 転－二人の関係を裂くような出来事が起きる。「どこか暖かい所に行こう」と行った場所がラブホというのが泣かせる。教室や更衣室での隠れた行為ではなく、コスプレでもない、最初から堂々と全裸であることが、彼女達の決定的な気持ちを物語っている 結－そして、二人の愛が成就したことをウエディングドレスで象徴させ、ストーリーが締めくくられる。最初不細工だった彼女達が、すっきりしたいい顔になっている こう書いてしまうと、あまりに公式通りの失笑寸前な話だし、最後のウエディングドレスのインパクトが弱い気もする。しかし、二人の愛の軌跡に見る側が素直に共感することで、そんな欠点は帳消しとなるだろう

ナンシーがレズビアンなのは知っていたけど、大友園子もそうらしい。一応「バイ」だとは言ってるけど、冒頭でいきなり“カミングアウト”している 大友園子＋ナンシー　vs　若手女優２人 という構図で、これはてっきり、年増の真正レズビアンが、ねっとり濃厚な責めで若い子をレズの深みに落としていくさまが見られるかと思うものだが、実際は案外淡白なレズ。４人でローション風呂なんてぬる過ぎなシーンもあり、この程度なら、ノンケの女優がやってる「芸風を拡げるための戦略としてのレズ」と大差ない。レズバーでは、若手相手に多少オーラが出ていたように感じたが、それとて単なる“おばさんのイキオイ”と言われればそういう気もするし 若手女優の「男の汚れ」を、一時的にせよ綺麗に洗い流すような漂白力を期待したのに、営業用に徹したレズで無難にかわされたという感じで、拍子抜け。大友園子は、気さくな普通のおばさんでした

歌やお笑いの素人オーディション番組では、５分とか１０分と持ち時間が制限されていて、限られた時間で自分をアピールできた奴が勝者になれるが、ＡＶも同じだと思う。収録時間２時間、下手すると３時間なんて作品があるけど、見る人間をグッと掴むための持ち時間は、せいぜい１０分から３０分ぐらいまでじゃないだろうか。残りの時間を“蛇足”と言っちゃうと、何だが 「尻の穴まで舐めるオイル性感レズエステ」の店長役の人が、姉役として登場。“レズのお姉さん”として、よく出てくるミュウやナンシーには、もう飽きた。この人は、綺麗で愛想よく演技も上手いから、これからどんどん出てほしい このお姉さんと家庭教師の絡むレズが、この作品の“持ち時間”。カメラワークも工夫されていて臨場感があり、なかなか巧みにアピールしてくる。これ以外、姉と妹のレズはまだしも、妹と家庭教師のレズは物足りないし、最後の３Ｐに至っては蛇足にもなっていない