赤魔さんのレビュー

｢隷属の首輪｣は、使う事が出来れば強力ですが、使用条件が非常に厳しい、ＭＣものとして｢弱いチート｣です。 主人公はヒロインの事を好きで、いつか手が届く事を願いつつもそのきっかけすら見いだせない、無力な少年。 そんな彼が｢弱いチート｣を手に入れて奮起し(道を踏み外し)、これを駆使してヒロインを手に入れるため頑張る……というのが、大枠です。 ＭＣを｢弱いチート｣として描き、弱者のまま｢大逆転｣へ向かうというのは、ＭＣものとして一番好きな構図で大変楽しめました。 エロとしては、｢弱いチートでどう大逆転するのか｣と言う部分がどーしてもアコギになり、尺を食ってしまうデメリットがあります(文章ならそこが魅力だったりしますが、漫画ならエロに尺を割きたいはず)。 そこも本作は、｢隷属の首輪｣という｢使いにくさ｣が一目で分かるアイテムを据える事で、｢アコギ｣部分を描かず表現しているのが見事だと思いました。 エロ抜きにストーリーを見ていくと、主人公はヒロインの本音を聞きだし、悩みや問題を解消。 そしてヒロインは競技でも人間関係でも障害を乗り越える結果を得ます。 主人公はその｢能力｣が評価され、ヒロインに選ばれて結ばれ、以後も｢頼みにされつつ頑張る｣というハッピーエンドになるわけです。 ｢ATM人生｣とか揶揄されるヤツですが、愛する人に依存にされ、その幸せの為に頑張るというのは｢男の夢｣でしょう。 これって男性本位のラブコメとしては理想のハッピーエンドだと思います。｢都合良すぎ｣と、一般紙じゃ描きにくいぐらい。 主人公の｢能力｣は、一般紙なら｢強い意志｣とか｢泥臭い水面下の努力｣とか｢土壇場での機転と決断｣とかになって、｢見どころ｣としてページを割く要素になるのでしょう。 エロ漫画としてその｢能力｣を｢弱いチート｣に担保させて、浮いたページをしっかりエロシーンに割いていますし、｢主人公を選んだ動機｣は｢性的依存｣になっているのですが、構図自体は同じだと思います。 ＭＣものだと、底辺のままの主人公がヒロイン(達)を支配した後、｢ヒロインの能力に依存して幸福に暮らす｣｢ヒロインを破滅させる｣みたいな構図が多いように思うのですが、それなりに開花した主人公がヒロインを(いびつでも)きっちり幸せにしてその後も暮らしました、ていう結末は好感が持てました。

母娘NTRフーゾクの方既読だったんですが、物語が結構変わります。 個人的には総集編の方が好きですね。 物語の大筋は｢いじめられっ子が大人になり、変わらないいじめっ子に復讐する｣というもの。 エロ漫画なので、復讐対象はその家族になります。 で、いつまでも子供ないじめっ子のせいで金を稼ぐ必要に迫られ風俗落ちした奥さん(主人公達の同級生で片想いの相手)を買い、ついでに年齢詐称してキャバクラ(コンカフェ？)で働くその娘も弱みを握って体を好きにする。 涙を流すヒロイン達を見下ろしながら俺の復讐はこれからだ！END ここまでが、Fanza様にある｢総集編じゃない方｣。｢弱いものがさらに弱いものに牙をむく｣系統の物語です。 これが総集編になると、物語の構図が変わります。 復讐対象の幼稚さ･傲慢さ･｢あの頃から何も改善していない｣さがきっちり描かれ、ヒロイン二人を夫(父親)から｢救済｣するという物語。エロ漫画なので｢エロい事しまくって夫(父親)から引き剥がす｣という鬼畜の所業ではありますが。 続編。 妻を風俗で働かせながら夢みたいな事ばかり考えている復讐対象は、騙すつもりの主人公に騙されて破滅。妻娘は主人公に｢身請け｣されて良い住環境を手に入れ、堕ちエロい事しまくりでハッピーEND。 だが妻は娘のため、主人公の暗殺を目論んでいた……で引き。 ｢悪人は報いを受ける。主人公だって例外では……｣という｢因果応報｣の結末で、ここで終われば漫画としては収まりが良かったろうと思います。 けどエロ漫画的にそれでは収まりが悪いので、続々編(書き下ろしの完結エピソード？)。 妻の暗殺計画は筒抜けで、すでに堕ちていた娘の手にかかり妻も陥落。 母娘とも同じ男に孕まされながらも幸せそうに腰を振る｢幸せな家族｣END。 (傍から見れば異常でも当事者間では)ひたすら幸せな結末を迎える(しかも竿は一本)という、私的に理想の展開で大満足です。 ちょっと余談なんですが、主人公は漫画的にブ男で描かれています。｢ブ男＝個性がある」って事で書き込みが増して目を引き、それが気に障って不快に感じる事が多いんですが、本作はあまり感じませんでした。そこも好感ポイントです。

こう、ドラマ仕立てのＡＶで、最初は企画に沿った衣装･演技･舞台･シナリオでやっているけど、最後はそれをかなぐり捨てて、全裸になってベッドで｢ひたすらＳＥＸ｣で〆るタイプあるじゃないですか。 あれを見ている気分になりました。 こういうと悪く言ってるみたいですが、そういうわけではなく、純粋にそういう傾向のある作品と言う事です。 嫌う方は嫌うでしょうし、そういうのが好きと言う方は好きでしょう。私は結構好きです。 本作を読む上で、本作の製作サークル様は｢憑依｣をコンセプトにしておられる、というのを踏まえておく必要があるでしょう。 ｢憑依｣ものをメインに創作するサークルが、｢今回はどんな話にしようか｣と考えて、ちょっと前に流行った｢悪役令嬢転生もの｣を組み合わせてみよう、となったのだと思います。 なので、最初の方は悪役令嬢に異世界転生したヒロインが破滅を避けるために原作知識を駆使して暗躍する……みたいな展開があるのですが、｢なんか憑依されて人生を破壊される(という名目でひたすら気持ちよくなる、ポルノ的には理想の)結末｣が身上ですから、なんかパッと出の悪役に憑依されて、意図せぬ方向に進んでいきます。 そこで｢完全に体を乗っ取られてめでたしめでたし｣なら物語としては収まりが良いのでしょうが、サークル様の持ち味としては｢その後の惨状｣まで描いてこそ、なのでしょう。 ヒロインは転生前の姿になって｢悪役令嬢｣要素をかなぐり捨て、自己を｢余すところなく毀損｣され(絵面的には｢味変｣)、登場人物も全員汚染されて、原作も｢余すところなく毀損｣されてめでたしめでたし。 物語としてはごちゃついてしまいますが、私としてはこちらのサークル様に期待する展開で大満足です。 一点、憑依してくる男のキャラクターの背景等が描かれていたら、(逆恨みかもしれんけど)｢にっくきヒロインを徹底的に穢してやりたい｣みたいな復讐で一本筋が通って、ごちゃつき感は抑えられたのかも？

堕ち物は大好物だが寝取られは嫌いなくせに百合崩しならＯＫというめんどくさい人間なのですが、他レビュア様のレビューで期待度(信頼度？)が高まり購入。 期待通りの内容で満足です。 あらすじ通りの前半で、その後もどんでん返しとかなくそのまま最後まで(エロ漫画は｢当初の期待通り｣が望ましいと思っているので、誉め言葉のつもりです)。 ゆり(表紙左の高身長ヒロイン)は言葉だけで抵抗しているというより、自己正当化のため｢本意ではない｣アピールしてるだけで竿役との肉体関係にどっぷりはまっている感じ。 ツキカ(表紙右)は｢負けないで｣とか言ってるだけでこう、男でいう｢鬱勃起｣て言うんですかね。ドはまりノリノリで物陰でオナニー三昧。 その後も表面上は変わらぬ百合ップルの関係を維持している様子。 部活に向かうゆりをツキカが抵抗や苦悩を明示せず笑顔で送り出し、ラストコマの表情は描かれない。けど濡れた股間が本心を良く表しています。 寝取られ彼氏君によくある｢体面｣や｢表面上の関係｣を気にするあまり｢何もできない｣描写に見せて、｢負けないで｣してる時の背後にヒロピン触手で｢性の目覚め｣を経験した時の回想が入るあたり、才能あったんでしょう。 多分後を尾けて本編同様の鑑賞しながらオナニー祭じゃあ～！と匂わせてEND。 男性向けエロ漫画としては、より直接的な｢エロ｣で〆る事が多いように思うのですが、これはこれで好きです。 ｢ずっとこうなりたかったんだろ？｣ですが、作者じゃないので推察ですが、ゆりは何かを喋ったのではなく、反論しようとしたが出来なかった、という表現だと思います。 ｢そんな事ない！｣と威勢よく反論しようとしたのでしょう。 実際そんな事ないんだと思います、最初は本当に｢脅されて仕方なく｣｢弱みを握られ嫌々｣だったんでしょう。 でもそこで｢結果的には図星やん｣と悟ったのか、｢機嫌損ねてシて貰えなくなったらどうしよう｣と思ったのか、開きかけた口を閉じて、小さくうなずく。 ツキカちゃんはそれを見て絶望(大興奮？)したのだと思います。 オチやこういう細かい描写が充実しててとても良かったです。 百合っプルを個別攻略、または連鎖堕ちして最後は仲良くハーレム、みたいな展開は私も大好きなので、長編や追加エピソードに期待したいですね。

タイトル通りの物語の中編です。 前編ではタイトル通り、興味本位でまず体を重ねてしまう展開でした。 次第に心がついてくる、その過程で色々悶々としたり、暴走したりする、この手の物語としては外せない展開が本作で描かれます。 さらに本作は、｢衝動で先走ったミス行動｣のせいですれ違う心、｢間男の注意｣を引いてしまい主人公を置いて｢連れだって去っていくヒロインと間男｣と、｢二人だけの関係｣が崩れてしまうかもしれない……と焦燥感を煽る流れで後編へと続きます。 ストーリー漫画としては王道の引きです。後編が待ち遠しくて、あれこれ考えてしまいます。 ストレートかつヒロイン主軸で行くなら、ヒロインはきっぱりと間男を拒絶し、主人公を選んで今度こそ結ばれる展開でしょうか。ヒロインの決断がメインになるので、主人公は受け手としておバカで無邪気で可愛い彼氏になるのでしょう。 ストレートかつ主人公主軸で行くなら、主人公が突撃して｢ヒロインは俺のものだ｣と立場を明確にしするのでしょう。主人公の決断がメインになるので、ヒロインは彼の想いを受けて｢無自覚｣を卒業し、愛する彼氏と幸せなキスをしてENDでしょう。 エロ漫画としてはＢＳＳとかＮＴＲも全然アリです。そういう記号を散りばめてありますしね。 どれが良いか悪いかは好みの問題になると思うんですが、展開次第で｢作品ジャンル｣が変わってしまう｢引き方｣が、エロ漫画作品としては好みではなかったです。 ハラハラドキドキさせられるのも悪くないんですが、エロ漫画としては｢今日のオカズはこのジャンル｣と分かった上で楽しみたいなァ、と。

結構昔のゲームですが、買った直後はクリアできずに投げて、最近思い出してようやくクリアしました。 ゲームの作りはRUINAというフリーゲームに似ているなと感じました。 フィールドを歩き回るのではなく、イラストで描かれた地図に配置されたイベントポイントを触って進めていくような形式。昔のアドベンチャーゲームに似た感じです。 ゲーム内容は結構ハードで、世界の破滅とか悪の大魔王とかと戦う勇者になるのではなくて、｢冒険者｣として生活しながら、最近発見された古代遺跡を調べていくというもの。 そこに、サークル様お馴染みの｢妹大好きちょっとドスケベお兄ちゃん｣と、お兄ちゃんのセクハラに(別に血が繋がってるとか親が再婚したとかではないが)｢"仕方ないなぁ"と受け入れる妹｣のイチャラブが乗っかって、独特の世界観を構築しています。 緩いハーレムを率いながら、古代の謎を紐解いていく展開は自分的に大層ツボで、いつまでも遊んでいたくなるような素晴らしいゲームです。 一方で作り込みが不十分と言うか、一人で作り切るには限界があったんだろうなぁと思うようなバランスの悪さや、作りかけてオミットしたイベントの名残なんかがちらほら見て取れます。 特に不用意にセーブしていると、戻って調整できない状態で強敵と戦わされるような局面がちらほらあるので、遊ぶ際は注意が必要でしょう。 そんなわけで大層ハマったものの、だからこそ｢えっ、もう終わり？もっと遊びたい｣という不満がなくもないです。

他のレビュア様も書かれていますが、好感度0どころか｢赤の他人｣レベルだった二人の日々が、主にヒロイン側の落ち度で重なって、どんどんイチャラブになっていく系統の話です。 それ一本調子じゃなくて、途中に一度｢試練｣が入るとこも物語としてすごく良いです。 重たい系じゃなくて、｢からかわれて不本意な事言っちゃう｣｢それを相手に聞かれる｣イベントから、即和解してより互いの気持ちが通じ合う系のやつ。 期待通りの内容で大満足なんですが、一点だけ。 立ち絵と背景の合わせ方が噛み合っていないと思います。 既成の背景素材を使っているのかなと思うのですが、アイレベルがばらばらであるのに対し、キャラクターが全身表示で同じ位置。 遠景はアイレベルが、近景は遠近や表示順がちぐはぐになってしまっています。 一般には、背景をトリミングしてアイレベルを揃えつつ、キャラクターを腰ぐらいで切って｢描かれている近景より手前にいる｣表現にするのですが、ニーハイが魅力的なヒロインなので全身表示する必要があったのでしょう。 そういう場合は、キャラクターと背景を合わせるのを諦める方法もあります。 キャラクター+背景が｢一枚の絵｣に見えてしまうからおかしくなるわけですから、背景の上下をカットして｢舞台がどこだか分かる｣程度の情報を残し、キャラクターとは｢別の絵｣であると一目で分かるようにするといいですよ。 (ノベルゲームでよく見かける手法です。黒背景の中央に｢舞台の背景画像｣が置かれるようなやつ)

いきなり自分語りで恐縮ですが、催●もの・堕ちものに目がないくせに、作品的に自己投影するよう描かれた｢主人公｣が寝取られる展開は嫌いと言うめんどくさい人間のレビューです。 本作ストーリーは説明文の通りです。 寝取られものとしては主人公視点。恋人未満のヒロインに戯れに催●術をかけちゃって、クラスメイトに寝取られるという｢主人公が余計な事して大事なものを喪失する｣系統。 催●ものとしてはクラスメイト視点(描写はヒロイン視点)。術にかかったヒロインに、クラスメイトがエロい事して、心まで奪って全部自分のものにしちゃう｢棚ぼた｣系統。 ただ、寝取られはあんまメインではないように感じました。 考えてみたんですが、主な理由は主人公が｢このキャラに感情移入してね｣と促す描写が弱いためではないかと。 主人公は他の描写も薄く、｢棚ぼた｣系統だと通りすがりに術を掛けて去ってく術師とか、気づいたらインストールされてたアプリみたいな｢舞台装置｣的な存在に感じます。 あと｢心まで奪う｣都合、ヒロインが毀損される｢大事に思ってる対象｣を用意するための狂言回し。 結末が｢誰にでも股を開くように成り果てたヒロイン｣を見せつけられる、とかだったらちょっとしんどいんですが、クラスメイトはそれなりにヒロインに執着し、大事にしているような結末(完全に手に入れた事を描写するのがメインでしょうが)。 ともかく寝取られ嫌いな自分でも、主人公を｢主人公ではないただの舞台装置｣とマインドセットして読む分には、催●ものとして好きな展開･描写が多く、かなり気に入りました。 ※寝取られは寝取られなので、それが本当に苦手！という方にはお勧めしないです。ご注意ください。

タイトルにはああ書きましたが、本作は寝取られではありません。 解説文の通り、主人公が勝手に妄想し、勝手に嫉妬と焦燥に駆られてヒロインを襲い、なんだかんだ言って許されて相思相愛で結ばれる話です。 ただ、(ジャンルとしては色々あるので当てはまらない作品もあるでしょうが)寝取られの根幹である｢焦燥｣による興奮、という点で、そっち系の感情を揺さぶられる楽しみを得る事が出来る作品だと思います。 (ガチガチの寝取られ作品を日々楽しんでおられる方からすれば物足りないかもですが) 結ばれて付き合いだしてからも主人公の｢妄想｣は止まらず、｢なんだかんだ言って許されて｣の部分が一コマの説明文で流されるのも、敢えて描写を薄くして｢主人公の心の平穏はその後も訪れない｣という暗示なのでしょう。 まぁヒロイン的にも｢自分に執着してくれる彼氏可愛い♪｣という感情が見て取れ、｢末永くやってろ｣でめでたしめでたしなのだろうと期待できる結末で、寝取られ嫌いな自分としても好印象です。

まぁ絵師が独立して自分の作品をもう一回出すとかあるもんな、と思ったらサークルも同じで、何か不備があって再登録とかですかね。 サンプル画像の絵柄は同じ、ページ数も同じだったのでリメイクとかではないかと思い流石に未購入。 再登録とかリメイクとかなら、紹介文にそう書いてあるとありがたいです。 再登録だろうという想定でのレビューですので、内容違ってたらごめんなさい。 ワールドはサイバーパンクとかそっち寄りでしょうか。魔法の国の妖精の力で～とかそういう雰囲気ではなく、なんか正義の組織が作り出した変身スーツを着て戦う感じのヒロイン(サンプル画像の)が、悪の組織の秘密基地に潜入(隠れる気がないので突入？)し、そこのエロトラップを｢ちょっとは対策しろよ｣と突っ込みたくなるぐらい無防備に踏み倒して進もうとして、紹介文通りの展開・結末になる話です。 ページ数は30未満なのにエロイベントが3つもあるてんこもり。 ・エロいガス地帯に無防備に踏み込んで発情、どうにか抜け出すも昂りすぎてつい敵地でオナニー ・触手壁に無防備に突入してエロい事され放題 ・消耗しきったけどそのまま任務続行してその辺の雑魚エロ虫にエロい事されゲームオーバー ｢必死で抗うも狡猾･絶大な悪の力の前に……｣的な｢ヒロピン｣を期待していたのですが、読んでる印象としては｢頭が弱く危機感がないヒロインが道端の淫具をわざわざ拾って一人遊びしている｣風です。 が、ヒロインは可愛いし、絵もうまく、変に逆転とか入れずにストレートに進むので、結構好印象。 そういうの好きな人ならお勧めです。 個人的な好みを言うと、 ・｢立ち向かう相手｣として明確に知性ある悪役が出てくる ・露骨なエロイベントに突入せざるを得ない理由付けがある 　(最初は油断でも、｢狡猾な誘導｣により引っかかってしまったり、人質や時間的制約により引っかからざるをえなくなったり) …があるともっと良かったなぁ、なのですが、ヒロピンものはそうした｢抗い続けて堕ちそで堕ちない｣展開に拘り過ぎて回り道や引き延ばしが増えてしまっている作品も多いので、潔く削ってある本作みたいな作品は貴重なのかも。

不倫するヒロインを汚っさんが脅迫して寝取る話。その完結編です。 不倫現場を目撃・撮影してヒロインを脅迫し、関係を開始する前編。 弱みを握った状態で色々エロい事して｢ダメージを蓄積｣する中編。 そして陥落寸前のヒロインにとどめを刺すのが本作である後編になります。 寝取られ男は性格が悪く傲慢で、ヒロインは性格＆｢不倫｣の後ろめたさから、か弱く影がある造型。 それがあるので、社会的敗北者である汚っさんがヒロインを寝取る展開はカタルシスがあり、とてもいいと思います。 ただ、他のレビュア様でも気になっている方がおられるようですが、汚っさんのビジュアルは私もいまいちだと思いました。 読者が見たいのは、｢気弱なヒロイン｣が毀損され、痴態を晒し堕落していく様であって、(そういう意味で竿役が汚っさんなのは間違ってないんですが)別に汚っさんの顔とかじゃないんですよね。 じゃあ無個性にすれば良いかと言うとそうでもなくて、キャラクターって個性を削ぎ落していくと｢量産型美形｣になっちゃいます。それじゃ｢汚いものに毀損されるか弱く美しい存在｣が描けない。 なので個性マシマシにする事で竿役を｢汚く醜いもの｣にしているのですが、そうなると今度は｢画面で一番ディテールがあるもの(＝一番注目に値するもの)｣がその｢汚く醜い竿役｣になってしまうというジレンマがあります。 竿役が｢濃い｣作品自体は沢山あると思うんですが、本作で特に気になっちゃった理由は、ヒロインの造形が大きいと思います。(｢記号の足し方｣もあるかと思うんですが) 本作ヒロインて、｢幸薄そう｣な｢か弱い｣造形にする都合、匂い立つような｢濃さ｣は敢えて控えめにしてあるんですよね。 これによって｢無垢で綺麗なものが、醜い悪意に汚される｣構図が強調される反面、画面で一番目を引くのが｢醜い悪意｣になってしまうというジレンマを抱えていると感じました。 作者様の描くヒロインの造形は大好きなので、これを｢毀損する汚いもの｣が同じ｢濃度｣でデザインされるようになればなぁ、と思いました。 ｢俺様の戦いはこれからだ｣的な結末で続編を意識しておられるのかもですが、ともあれ三部作はこれでひと段落でしょうか。大変エロく、大層気に入りました。

｢時代錯誤のツンデレ傲慢暴力女ざまぁ｣だった前作ですが、今作はその｢ツンデレ傲慢暴力女｣も加わってハーレム形成めでたしめでたし、という話です。 シリーズで作品ジャンル変わるのはエロ漫画としてあまり良くない事だと考えているんですが、(多少いびつでも)｢ヒロイン＆主人公全員ハッピーエンド｣｢竿は一本｣が理想の自分としては、嬉しい展開でした。(前作は前作で好きですが) 寝取られマゾ覚醒とか、分からされて土下座とかそういうんじゃなくて、｢ようやく素直になれた｣感が出ていたのも好印象。(そういうのも嫌いじゃないですが) 大好きです。

本作がパイオニアと言う訳ではないですが、復讐レ●プものにＴＳって、ポルノの構図としてすごく効率が良いと思いました。 動機面では復讐ものは明解だし、共感しやすいです。 だっていじめという悪事を働く相手は報いを受けて当然ですし、いじめられた主人公にはそれをする資格があると認めやすいからです。 でも、いじめの構図で被害者は、加害者に欲情するだろうか？てとこで躓きます。だって基本的に相手は同性でしょうから。 そこで復讐レ●プものって、いじめっ子の恋人や家族をターゲットにした寝取りものである事が多いように思います。 彼女や母親、姉妹を寝取って、｢見せつけていじめっ子を絶望させる｣とか｢何も気づかないいじめっ子を陰で哂う｣結末。 でもそれって、まさにいじめの構図じゃね？という嫌悪感が付いて回ります。 いじめられた人は、さらに自分よりも弱い相手に対するいじめに走る、ていうやつです(そこだけ切り取って、最後に報いを受けるみたいな作品もありますね)。 そうした障害を回避、あるいは単純にさっさとエロ展開に入るため、｢何故か｣美少女が寄ってたかって、わざわざ陰キャボッチの主人公をいじめてくれるという構図になっている作品も多数あります。 それだったら｢復讐の対象｣と｢性的加害の対象｣をイコールで結べますが、構図自体の不自然さは否めません。 ＴＳというファンタジーは、そうした障害を全部すっ飛ばすのに有効だと感じました。 (メインは被害者の立場で｢他者の責任｣で、美形/美少女になって異性の性の悦びを体験してみたい、みたいな倒錯した願望に応えるとこだとは思いますが) ｢復讐の対象｣をＴＳして弄ぶわけですから、それが｢性的加害の対象｣となる事に何の違和感もありません。 対象は｢いじめ加害者｣ですから、徹底的に｢男の沽券｣を毀損されても｢そこまでするのはちょっと…｣みたく萎えてしまう懸念も小さいですね。 そんなわけで作品自体とはあんま関係ない話で長々と語っちゃいましたが、主人公といじめっ子の関係性や結末など、自分的にかなり刺さりました。 ただ一点。2024/05/06時点で、ページ間違いがあります。 多分本来の12pだと思うんですが、それが最終ページに入ってしまっています。

催●もの、その中でも個人的には、(対外的にはバッドエンドだが)快楽堕ちとかして何も考えずにご主人様に可愛がられるだけの(ヒロイン的には)幸せな余生を暮らしました、みたいな話を、ヒロイン側に感情移入しながら読むが好きというめんどくさい人間なのですが、催●ものという事で購入しました。 前提などは説明の通り、話の展開はサンプル画像の通りで、ちょっと耐性あるヒロインは中途半端に術にかかってしまって、ある程度意識を保ったまま支配されてエロい事します。 でも特別悲壮感とかはなくて、妙な執着をされちゃった主人公の元にまた懲りずにヒロインが挑んできてEND、という結末。 ヒロインの言動の端々から透けて見える傲慢さや辛辣さから、多分なんですが、ヒロインは自分の性格に起因して周囲から距離を置かれていたタイプじゃないですかね。 で、下手に正義感やプライドもありそうなので、それが邪魔してこちらから歩み寄る事も出来ずに孤立していたような感じ。 そこで異世界チートの主人公にボロ負けして、｢リベンジマッチ｣という口実を得てようやくガンガンに距離を詰めていける相手(物理的距離を０まで詰めた相手でもある)を得てめでたしめでたし。 チート主人公も｢手に入れたチートでやんちゃして社会に居場所を失った｣孤独な人物(チートを使うと意思を失うので対等な友人も作れない)ですんで、割れ鍋に綴じ蓋でこれまためでたしめでたし。 可愛らしい絵柄もあって、そういう話なのかなって感じました。 私が｢催●もの｣に求める個人的な好みからは外れていますが、めんどくさいカップルの馴れ初め話は大好きです。 次作品も期待しています。

有体に言っちゃうと、べったり癒着志向の性格で、そのくせストレートに要求してこないという、めんどくさいヒロインにプライベートを侵食される話です。 本作のヒロイン、(今の御時世こういう物言いをすると怒られそうですが)動物としての｢雌の本能｣に振り回されている感じがします。 繁殖のため、雄の庇護下に入りたい、家庭と自分は一体(家庭は自分の一部まである)、一体なのだから家庭の意志と自分の意志は同一であるはず……みたいなやつです。 その本能の結果が、｢今人類が滅んでない事｣であるわけですが、ネガティブな部分もあって、昨今はそっちばっかり話題になりますね。旦那が思い通りにならないからとブチギレたり、勝手に配偶者の持物を捨てたり売ったり、子供をペット化･アクセサリ化して過干渉したり。 そんな重たくてめんどくさくて、昨今はネガティブに描かれがちな｢雌の本能｣を、生々しいのに、男性向けエロ漫画として可愛く魅力的に描いていて素晴らしいです。 ずっと一緒にいたいのに、彼氏が求めるのは自分であるべきなのに、(彼氏と自分は一体だから)彼氏の渇望を満たすのは私のはずなのに、もっと構われたい、もっと構いたい、etc,etc... 男性向けエロ漫画なので｢都合よく｣な部分ありますが、彼氏がちゃんと汲んであげて、それも｢義務的に｣ではなく情にほだされてヒロインの望みを受け止めているとこもいいですね。 エロ漫画広告サイトから飛んできたんですが、そこの担当者がわざわざ掲載誌の範囲ではなく短話切り抜きでサムネイル出すほど気に入ってたのも納得です。 私もかなり気に入りました。

前世……何回前のか分かりませんが、前世で主人公と愛し合っていたらしい猫又ヒロインに見つけられてエロい事する話です。 ヒロインは割と普通に主人公を慕っていて、普通にイチャラブするんですが、精力を吸い尽くされて主人公死亡、でおしまい。 知らずに～とか、今回が初めて～ならまだしも、ヒロインはそれを知っていた模様。 悲しくはあるようで涙を流しながら、｢次もまた絶対ご主人を見つけるから｣｢来世はもっと長生きしてね｣と、全く自責や反省が見えないあたり、ちゃんとヤンデレだなぁと感心してしまいました。 ひでー話もあったもんだとは思いますが、結構好きな展開・結末でした。

気安い仲だが友達以上ではない、みたいな二人がくっつく話です。 悪戯心でパンツを見せた事がきっかけで～なわけですが、その時点で既に結構特殊行動な訳で、実は物語はとっくに始まっていたんでしょうね。 冗談めかして、茶化し合いながら、照れ隠しで現金のやり取りしながら肌を見せるようになり。 盛り上がっちゃってキスしてみたり。 それを既成事実に｢これって付き合ってる事だよね｣と迫ってみたり(涙まで見せるガチ攻略っぷり)。 そんなこんなで見事主人公をゲットしてウキウキで、好き好きオーラ全開のヒロイン。 そんなヒロインにキュンキュンが止まらない主人公と俺等読者。 ナチュラルにヒロインを立て、大事にする感じの主人公にも好感が持てます。 順当に結ばれ、初体験後の｢いつから好きだったのか｣｢パンツ見せた時から｣ていうくだり。 現実にはどうだか分かりません。人間の感情なんて自分でも分からないもんですから。でもヒロインの中では｢あの時から｣と、ポジティブに認識されているわけですね。 作品テーマ的にも、ストーリーの起承転結的にも、素晴らしい場面だと思いました。好きです。 そのカットで終わるのが一番おさまりが良いのでしょうが、その後イチャイチャSEXシーンで終わります。 これも｢末永く爆発しろ｣と安心して読了する事が出来、大変好印象でした。

陰キャな男の子がひょんな事から催●を身に着け、本来なら高嶺の花であろうヒロインを支配して……ていう、催●が｢弱いチート｣だった時代を思い出す、割と懐かしめな催●ものの続編です。 当初こっそりエッチな事する｢モチベ：性欲｣だったのが、次第に調子に乗って、ヒロイン達を弄ぶ｢モチベ：支配欲｣｢モチベ：探求心｣になっていくのも定番で、個人的にはあまり好きなルートではないのですが、前作ラストはまさに調子にのってオラつく｢悪落ち主人公｣で終わります。 今作は、その｢悪落ち主人公｣がこのまま行ったらどうなるか？をかなり順当に描いていると思います。 前作ラストで能力を失ってしまったので、対象は前作で出ていたヒロインだけ。 (全く失った訳ではなくて、｢支配した配下に習得させて使うしかない｣という制約が加わっただけです) そうなると、何をやっても反逆されない、ひたすら自分への忠誠全振りの連中に囲まれつつ、｢新しい刺激｣が得られない環境で、暴君が何をするか？ そう、暴力ですね。 今作の主人公は、ヒロイン達に暴力を振るいます。暴言はもちろん、ヒロイン間で扱いを変えたり、それで不満を訴えた相手の顔を殴りつけたり、排泄物(大)を食べさせて顔を踏みつけたり。 ｢あー、もし現実にこんな状態にハマり込んじゃったら、こんな風になっちゃう人間いるかもねー｣てぐらい順当な展開なんですが、読者が見たいのは｢催●でエッチな事をする｣｢弱いチートで成り上がる｣話であって、｢(理由はともかく)支配したヒロイン達への支配っぷり｣ではないんじゃないかなぁ、と思いました。 ストレートな｢暴力｣で君臨し、ヒロインの尊厳を毀損したり、暴行したりするジャンルが見たい人、超人思想趣味丸出しでただ｢無敵の人｣主人公なジャンルを見たい人は、催●なんてジャンルを選ばないんじゃないかと。 ｢催●｣でしか描けないプレイはありますし、オカズの好みはそれこそ千差万別、めんどくさくて当然ですから、｢これが良い！ドンピシャ！｣て方もおられるとは思います。 それでも何つーかこう、催●ものを｢優しい時代のレ●プもの｣と認識する自分的には、｢弱いチート｣を駆使してエッチな事をする話が見たかったなぁ、と思うのです。

よくネタが続くなぁと感心するばかりの本シリーズ、もう三作目なんですね。 ストーリーは匂わせる程度で、特殊性癖に応じた特定イベントのみ抽出して並べたような構成。 同人らしくて大変好いと思います。 ただ一方で、これは自分の想像力の敗北なわけですが、ヒロイン達が虐められてるように見えてちょっとしんどい時があります。 本作って、ヒロピンものの吹っ飛んだやつだと認識しています。強く美しいヒロインがピンチに陥る展開は子供向けアニメでも普通にあって、そこに性的興奮を覚える層は受け手にも作り手にも結構多い。 正義が勝つストーリーですから、ヒロイン達も当然ピンチを脱するわけで、それに安心する反面、｢もっと先まで見たい｣という欲望をたぎらせる層も少なくない(私もその一人です)。 これに応えて作られたのがヒロピンもので、｢ピンチからなかなか逃れられない｣あるいは｢逃れる事が出来なかった｣ヒロインの痴態が描かれるわけですが……。 本作って、架空の異能伝奇アクションものの｢ヒロピン｣なわけですから、二次創作みたいに｢強く美しいヒロイン｣達の｢友情･勝利｣の部分を担保する｢原作｣が存在しません。 そうなると、そこを読者の想像力でカバーしないと、自分を強いと認識しているヒロインが｢無様にやられる場面が延々続く｣わけで、なんか弱い者いじめを見ている気分に……。 そんなわけで、私のような貧弱な想像力しか残ってない人間には厳しい部分もあるのですが、そこをカバーできる妄想力があり、｢ヒロピンのもっと先｣が大好きな方にはオススメ出来るシリーズです。