赤魔さんのレビュー

なんか昭和めいた懐かしい雰囲気のある、淫靡で謎めいた和風ロマンホラー小説？みたいな物語に、ところどころ挿入されていた性描写。 そこをガチエロ漫画の描写で描いて一つの作品にしてやろう。 実際のところは分かりませんが、そんなような意図を感じる作品です。 そしてそれらの要素が見事にぶつかり合って、出来栄えを落としている作品だなと感じました。 怪しげで下劣な淫習に支配された離島。そこに蠢く醜い老人。秘めた欲望を吸い上げられて巻き込まれていく女たち。淫習に従うフリをしながら、母の真相を探り、復讐の機会を巡るヒロイン。事を暴くためやってきた胡散臭い男。 いずれも古き良き時代の雰囲気ある魅力的なパーツです。 そして、そういう昭和の映画や小説をドキドキしながら見ていた時、｢そこもっと見せろよ｣と内心思っていた淫靡なセックスシーンは、エロ漫画ですので毎話ガッツリページを割いて描かれています。 と、そう聞くとなんか｢見どころてんこ盛りのお買い得作品｣みたいですが、それらの要素が見事に足を引っ張り合って、作品をなんというか見どころのないものにしてしまっていると感じました。 (エロ漫画らしいエロに従属したものではない)ストーリーラインが存在するので、そこを語る箇所が多々あり、エロシーンを圧迫して邪魔です。 一方でがっつりエロシーンを入れる命題があるので、その為に構成がなされ、エロ漫画のためのキャラクター造形がなされた結果、本来なら意味がないシーンなどなくエロシーンすら様々な思惑が絡み合う緊迫感溢れるものになるはずが｢いつものエロシーン｣、ページの都合｢それを背景に説明台詞が続く｣みたいな間延びしたものになってしまっていますし、それぞれの大義･欲･守りたいものが複雑に絡み合うはずの物語も｢淫習に乗っかってエロい事したいだけの老人｣｢エロの都合エロい事されて堕ちるだけの女達｣みたいな単純化されたキャラクター達では演じられません。 そんな訳で、万魔殿と化していた屋敷の炎上と脱出のクライマックス、生き延びた男女となったはずのヒロインが男を手にかけ復讐を完了する…というエンドも、盛り上がらず、お寒く上滑りしたものになってしまっています。 この手の企画は一つで完結するのではなくて、｢原作｣と｢エロ抜き出しのスピンオフ｣のようなミックスが良いのではと思いました。

描きたい事の前提が多く複雑で、一冊の中でそこにたどり着くために展開を急いで、作品自体がごちゃごちゃしてしまっているように感じました。 登場人物は以下。(勘違いあったらごめんなさい) ・ヒロイン：無敵の変身ヒロイン。皆のアイドルなので彼とのキスやセックスは拒んでる。 ・主人公：平凡な青年でヒロインの彼氏。お預け食らってイライラしてる。 ・メガネ：表紙右。ヒロインに迫る危機を知らせ、守るため未来から来た。 人を操る能力がある。目的のためヒロインと主人公を拉致しようとする。 ・金髪：表紙左。メガネの妹。同じく未来から来た。 ・悪役：見た目はエイリアンのフェイスハガー。ヒロインに迫る危機。 能力はスライムぽくて、人を溶かして取り込む。 描きたい事は、平凡な主人公がＴＳしつつ人を操る能力を身に着け、自分にストレスを与えた｢本来なら手が出ない｣ような美人で強大な連中にお仕置き的にエロい事をする……なんだと思います。 そこに辿り着くため、こんな沢山の要素を怒涛の勢いで消化します。 ・前提： 　｢美人で強大な連中｣にストレスを与えられる。 　アイドル気分で自分の気持ちを汲んでくれないヒロイン。 　｢正しい目的｣に酔って思い通りにならない相手に平気で暴力(魅了光線とか)を振るうメガネ・金髪。 ・｢受難｣と｢棚ぼた｣： 　｢描きたい事｣のため主人公を変質させるべく、主人公が悪役に捕食される。 　同じ流れでメガネも捕食される(主人公に操り能力を与えるため)。 ・本編のおぜん立て： 　何故か自室で目覚める。同化した悪役のレクチャー。 　平凡な主人公が｢描きたい事｣を躊躇なくやるようになる理由付け。 ・足場の解体： 　その上で悪役は退場。 　一見｢スタートと同じ｣に見える状況に回帰する。 さらにエロ漫画ですからエロシーンも入れなきゃいけない。 そこでチュートリアルがてら金髪を操ってエロい事します。……が、そこで時間切れ。 ｢次回への期待｣を含ませて終了します。 さらに本作には｢乗っ取り｣要素があり、キャラの見た目(中身？)が入れ替わるため、視覚的にも分かりにくい部分があり、読者的についていくのは大変だと思います。 せめて金髪がヒロインに変身するのは次回以降にした方がよかったのでは。 が、細かい部分で｢ツボ｣を押さえた設定･描写が見て取れ、好印象です。 次話以降も期待します。

サンプル見ればわかる事ではあるんですが、本作の竿役は第一巻でジョックどもの茶番に付き合わされていたさえない少年｢鈴木｣です。 それ以外は割と、第一巻と同じ構図です。 ｢鈴木｣の事が好きだったらしい生徒会長が、催眠アプリを使って自分にエロい事させる流れなのですが、本作が面白いなと思ったのは、本当に催眠にかけているように見えるところです。 と言っても、アプリのパワーが本物で、魔法をかけて云々～ではありません。 アプリの存在を｢道具｣に使い、｢これは催眠ごっこ｣｢だから仕方ない｣と言う風に｢鈴木｣の秘めていた暴力性･積極性を引き出し、それを自分にぶつけるように誘導します。 鈴木の｢欲望｣、｢会長への思いやり(かかる訳ねーだろとか言っちゃ悪い)｣をうまく利用して、会長の｢言われるまま逆らえない｣状態を作り出し、操るところは魅力的でした。 委員長の方はもう｢政織くんとくっついていちゃラブ生活｣状態で、あとはいつ｢催眠設定なしで結ばれるか｣だけ、みたいな状態なのでもう1ライン物語を作った感じでしょうか。 あるいは今後はこちらにシフトするんですかね？ 正直｢安易なハーレム｣かと思い、それに期待していたので｢何だよ竿役別かよ｣とちょっと思ったのですが、これはこれで面白いです。 今後の展開に期待します。

これが良い！素晴らしい！て方もおられるでしょうから、作品価値についてどうこうではなくあくまで個人的嗜好の観点です。 私がこの手の作品に求めるのって、｢女になって(男が妄想する)いい思いがしたい｣みたいな欲求を満たしてくれる事で、その立場からのレビューになります。 ただ｢女になっていい思いする｣では恰好つかないので、主人公は｢詐欺に騙されて｣｢罰を受けて｣｢理不尽な悪役の手に掛かって｣女になり、レイプやら催○やらで尊厳を奪われ、強制的に快楽を与えられて｢(男が妄想する)女の立場を受け入れ｣、｢被害者｣の体で｢女になっていい思いをする｣というジャンルであると認識しています。 (ハーレクインの主人公が、イケメン大富豪に見初められて｢不幸な境遇から拉致され、地位と財産全てを与えられ、嫌な奴らに勝手に復讐され、何だったらイケメン大富豪が土下座して結婚を申し込んでくる｣被害者になって幸せになる、ていうのの男性向けポルノVer.ですね) 本作は絶妙な｢コレジャナイ｣感がついて回ります。 エロいことされる場面は、｢マンコにチンコ突っ込んでガンガン突けば女なんてすぐよがるだろ｣ていう男の妄想をそのまま返す感じ。結末も｢あまりに過酷な扱いを受けて心身が再起不能なほど壊れてしまった女性｣の姿です。 何と言うか、｢可哀想すぎてヌケない｣のですよね。 台詞だけ追いかければ｢被害者の体で気持ちいい思いをしてる｣っちゃそうなのですが、これで快楽堕ちしたら｢男の妄想は正しかった｣事になってしまいます。 ｢TS被害に遭っていい思いする｣ジャンルとしては、主人公が｢女の体で痴漢を続けようとする｣｢男の感覚で暴力に訴え切り抜けようとする｣ような描写があった方が｢分からせ｣られる上で良かったと思います。 エロいシーンも｢男の妄想やり返し｣ではなく、｢下手くそなあなたに教えてあげる｣｢女の子を気持ち良くするにはこうすればいいのよ｣て風に、｢同じことをやり返す｣のではなく｢堕落を誘う｣事で｢尊厳破壊｣してほしかった。 結末も｢破滅｣ではなく、｢また可愛がられたくて女性専用車両に通い詰める｣｢(性転換が自由になって)男に戻った後も快楽欲しさに痴漢を潰してご褒美をねだるようになる｣みたいに｢堕落｣と分かるものが良かった。 本作は｢女の敵に復讐してスカッとする｣ジャンルになっているように思えます。

好きなシリーズで追いかけています。他作品との比較も交えたレビューになります。 物語の筋は｢いつもの｣です。 強く美しく高潔なアリシア姫は、民を守るため危険な地へのこのこ出て行っては、悪人だの怪物だのに負けてエロい事されて堕ちて、穢れた惨めな雌になってしまうやつです。 ……が、なんかちょっとまとまりがないように感じます。 元々ネタ先行で、｢細かい部分を想像で補える｣楽しみを大事にしてるシリーズではあるのですが、何かピースが足りないような印象。 本作の｢悪人だの怪物だの｣は、怪物討伐の帰りに寄生してきたなんかヒルみたいな魔物。 これに寄生されてしまったアリシアは、魔物がもたらす快楽に溺れ……という流れです。 が、快楽に溺れ、のあと、自ら積極的に女性たちを誘拐し我が子(と錯覚しているヒルの魔物)を植え付ける……に繋がるイベントが足りないんじゃないでしょうか？ 本作はアリシアが｢竿役に心酔｣してしまい、竿役の望みのまま悪に染まる(身分を捨てて竿役と幸せに暮らすだけ、みたいなのもありますが)系統ではなくて、自らが｢悪の中心｣になるタイプのエピソードです。 これに該当する過去作は、｢サキュバスに体を乗っ取られる｣｢スライムに捕食されてスライムになってしまう｣なのですが、それらのシリーズはいずれも｢知性ある悪役｣で、その目的や企みもそいつらの口から語られました。 (スライムは、アリシアを捕食した事でその知性を｢獲得した｣ようにも見えますが) 一方で今作は、原始的で知性がなく、本能だけで行動する下等な魔物です(そのように見えます)。 アリシアを翻弄し屈服させたのも、全て生存のため獲得した本能や習性なのでしょう。いずれも知性によりコントロールされた責めではありません。 であれば、アリシアが魔物の本能であろう｢繁殖｣に協力するようになるプロセスは、アリシアの｢解釈｣が必要になるはずで、それが本作における大きなカタルシスであったはずです。 それ自体は｢(外せないだけで)便利なバイブ｣程度の存在でしかない下等な魔物を｢主人｣と錯覚し、その本能的欲求(=繁殖)のための走狗と化す事をバイブに誓うアリシア。 このイベントがもうちょいはっきり描かれていたら、本作のカタルシスは大いに増したのではないでしょうか。

ＣＧをＡＩ生成で割と頑張った気配がある、以外は何と言うか「とにかく一作品形にしてみよう」て感じの作品です。 ｢進行不能になるバグは潰す｣以上のテストプレイがあまり足りていないのではないでしょうか。 それこそ元勇者のところでさっさとLV99に上げたら最後まで進んでみるみたいな。 進行がダルく、かと言ってそれでも先に進みたくなるような何かがある訳でもなく、一応クリアしてからレビューしようと思ったのですが、ごめんなさい、途中で面倒くさくなってしまいました。 戦闘のテンポはツクールの仕様なので難しいかと思うのですが、今からでも、アップデートの形で｢移動のショートカット｣ぐらいは追加した方が良いかと。 現状、シナリオは｢やり込み系｣でよく見るような｢前提だけ置いたら後はあっさり目で、攻略ややり込みを勝手に楽しむ時の邪魔にならないようにしてある｣感じです。 反面、戦闘バランスやデータは｢物語やオカズ特化系｣でよく見るような｢プレーンで選択肢等も少なく、話やエロシーンを追いかける時の邪魔にならないようにしてある｣感じです。 その結果、｢シナリオは邪魔にならない、システムも邪魔にならない。では何を楽しめば？｣て感じの作品になってしまっています。エロイベント集めぐらい？でしょうか。これも何と言うかほぼ最初の街で｢立ち絵があるキャラの周辺回っていれば大体揃う｣新設設計なので、やっぱり｢じゃあ何をしようか。したい事特にない｣てなってしまいます。 ひとまず｢一本最後まで作ってみる｣はこの作品である程度勝手が分かったかと思うので、次回以降、｢どう楽しませるか｣を考えて準備して作った作品を期待します。

凄まじいページ数のエロＣＧ集です。 これってゲーム企画の没素材とかなんですかね？ 使用素材の品質が不揃いなあたり、このボリュームにする都合があったように思えます。 一方で、おまけイベント的なエピソードで水増しされてる感もあり、このやたら長いＣＧ紙芝居をどーしても描きたかったわけではない様子。 ＣＧ紙芝居だと一方通行かつ一直線でひたすら長いので、ダレるし忘れます。 何かしらゲームの体裁を作って、物語本編自体は簡潔に、各所の御褒美としてＣＧイベントを配置する、みたいな作りにした方が良かったと思います。

話の筋は紹介文の通り。 本来なら「一番身近な異性」として「恋と錯覚した時期もあったかも」で終わるはずだった兄妹ですが、サキュバスの術で誘導されつつ、ヒロインは体を操られてエロい事します。 やりたい放題やって満足したサキュバスが去った後、二人の関係は元には戻らず……で終わるのですが、妹の心理がどんなものなのかで物語の方向が変わる作品だと思いました。 疎遠になってしまったようで、週末になるとまた妹が訪ねて来て体を求めるようになった……というラストなのですが、妹的に｢壊れて(ある種の悪堕ちして)しまって爛れた関係に溺れる｣のか、｢いびつではあるが大好きな相手に抱かれる幸せを感じている｣のか、はたまた。 ｢兄｣視点で｢妹は何を考えているのか｣で終わるこの結末もアリかナシかで言えばアリですが、個人的には｢これはこれで二人とも幸せ｣とはっきり描いて終わって欲しかったなぁと思いました。

彼氏がいるようですが、紹介文の通りに主人公の｢ちびモン｣にされちゃったヒロインは、主人公を｢ご主人様｣として溺愛するようになって、ラストは彼氏に(普通に別れりゃいいのに)寝取られ報告してエンドです。 知りませんが原作あるんですかね？ 彼氏の名前はアラン、ヒロインの名前はあかりで、いずれもポ○モンの登場人物で出てくる名前のようですが、ビジュアルやキャラの関係性は違うようで、たまたまですかね。 背景世界があまり語られないのではっきり分かりませんが(エロ漫画なのでそもそも不要ですが)、主人公が手配されたのはヒロインが｢主人公を嫌いだから｣で、嫌う理由は｢バトルに勝ったらセクハラするから｣との事。 一応主人公は｢自分から売ったバトルでセクハラした事はない｣ようですが、意図した物語の構造的に｢一方的にこちらを憎んで陥れようとしてきたヒロインを無様に堕として分からせる｣をやりたかった感じでしょうか(手配後の報復だとしてもセクハラしてたらアウトじゃねーかと思いますが)。 ともかく寝取られ要素がこっそり入ってるとこだけご注意ですが、紹介文とサンプル画像の通りの内容なので、好きなら良作品と思います。

タグがあるので、タイトルは別に｢裏切られた！｣とかってニュアンスではなくて、後書きからの引用です。 物語の筋は紹介文の通り。 本編はそこから｢好きだからこそ、気持ちが分からなくて不安になったのに会うなりエロい事されちゃう｣｢でも好きだからひたすらエロい事しちゃう｣｢ちゃんと自分の事好きだと分かって安心してエロい事しちゃう｣と続きます。 紹介文で読者が期待した通りの筋で、読者が見たい｢そこんとこ詳しく｣がガッツリ描かれる、エロ漫画として理想的な作りの作品です。

主人公はちょっとめんどくさいタイプというか、柱がしっかりしてなくて｢自分で自分が分からない｣タイプの女性。 漫画なので美人だし小奇麗にしてますが、汚部屋っぷりを見る限り、なんつーかもっと｢何こいつ｣って感じのキャラなんじゃないでしょうか。 竿役は面倒見がよく、優しく、イケメンで爽やかで当たりの柔らかい年下の青年。 ひょんな事から出会って助けてもらって、そのまま通ってもらって、でもヒロインは返すものが何もなく、引き止める術もないのでひたすら体を捧げます。 自分から行動を起こせればまた違った結末があったのかもしれませんが、柱がなく自信がない性格なのでひたすら竿の方から事を先に進めてくれるのを待つばかり。 (外見がマニッシュでかっこ良さげなのは、｢自信がない｣性格の反動なんでしょうね) そうしている間に見知らぬ誰かが竿役に対し行動を起こし、面倒見がよく優しい青年はこれに応じて付き合う事に。 ｢もう行けません｣という律儀なメールでそれを知り、ショックを受け、どうしていいか分からなくなって汚部屋でうずくまったまま、ただ時が過ぎていくのだった……という結末。 商業で出る予定だったけど、色々あって同人で出る事になった作品との事。 言っちまえば｢ヒロインがうじうじしてるだけ｣で性的興奮がどうこうって話ではないので、商業で男性向けエロ漫画として考えたら納得ではあるのですが、この｢うじうじ｣部分が漫画としては良く描けていて、個人的には好きです。

主人公は社会の枠組みに追われているようで、自分のペースでしか生きられない、不器用で孤独な男。 ヒロインは広い交友関係を楽しんでいるようで、どこか｢自分の居場所はここじゃない｣と不安に溺れ酒に浸る孤独な女。 この二人が出会ってくっ付く話です。 出会いのきっかけなんかはあらすじの通り。 堺は出てきませんが。 ｢居場所｣を見つけた気がして主人公の部屋に入り浸るヒロインですが、残業徹夜翌日連勤というコンボに襲われた主人公が帰宅できず連絡もとれない日があった事で地雷発動。 ｢ここの自分の居場所じゃなかった｣と勝手に去ろうとするヒロインですが、既に｢ヒロインがいる｣のが自分のペースになっていた主人公が割と普通に不法侵入かましてヒロインを迎えに行き、今度こそ｢自分の居場所はここだ｣と確信したヒロインと結ばれる結末。 すっかり｢自分の一部｣扱いでヒロインが酒に逃げようとするのを妨害し、翌朝早くから彼女の汚部屋を掃除するぞと告げる主人公の態度に心底幸せそうなヒロインが可愛いです。 男性向け作品ですが、割と少女漫画的な文法が入っているように思えます。 ｢侵略的｣に主人公の生活を乱すヒロインは｢男性向け作品｣的です。 それに対し、主人公は｢侵略的｣に尽くすのですよね。ヒロインが抱かれたい素振りを見せたら即襲い掛かるし、地雷発動で引きこもれば家宅侵入してきて｢お前が大切だ｣と態度で示すし、だらしない汚部屋を頼まれてもいないのに｢掃除するぞ｣と仕切ってくる。これは少女漫画的に感じました。

多くのレビュア様も書いておられる事ですが、本作についている｢寝取り・寝取られ・ＮＴＲ｣タグはフリです。物語は主人公とヒロインが最初から最後まで相思相愛で、普通に結ばれる話です。 とは言えそういう要素が一切ないわけではありません。 主人公とヒロインは幼馴染で、幼少期の｢じゃれ合い｣から肉体関係を持ち、以後ずるずるとそうした関係を続けている間柄です。 そんな二人ですが、ある時｢ヒロインが誰かと付き合っているらしいぜ｣なんて話を聞いてしまった主人公が、｢俺だけのヒロインだったのに。誰かのものになって去って行ってしまうんだろうか｣｢俺はヒロインが好きだったんだ、今更気づくなんて｣勝手にやきもき悶々とします。 ｢誰かと付き合っているらしい｣噂は間違いで、相思相愛だった事が分かるんですが、セフレ期間が長すぎて｢もう遅い｣｢今更そんな関係になれる自信がない｣と言われてしまい、落ち込み苦悩し一旦｢別れ｣ます。 こうした流れはまさに｢寝取られ｣物のそれです。 で、ホントに寝取られだったら｢距離を置いてる間に…｣とかなるんでしょうが、ヒロインと距離を置き必死に｢大人｣になろうと頑張っている主人公を、ヒロインはずっと見守り、待ち続けています。 ヒロインの卒業を期に｢俺は大人になった。そして分かった、やっぱりヒロインが好きだ｣｢私も好きだと分かった｣と二人は結ばれ、ハッピーエンド。 素敵な｢優しい物語｣です。 絵柄に関してですが、多分資料をしっかり集めてそれで作画するタイプの方なのだと思います。 ｢骨格｣と｢絵的な嘘｣が若干弱くて、それで作画が乱れているように感じられる箇所もあるのですが、丁寧で質感に優れていて大変魅力的です。

あらすじやプレイ内容等は説明文の通り。 人格排泄ものって、｢排泄間際の快楽と恐怖のせめぎ合い｣の描写と｢排泄前→後の変貌ぶり｣がキモだと思うんですが、この作品では排泄の場面自体は割とサラリと進んでしまいます。 全体の2割ほどですかね。表情差分だけでプレイ的にも構図的にも変化がないので、ちょっと弱く感じました。 一方で排泄前後の落差ですが、排泄前は大人しそうな普通の娘さん。イキッたりブチギレたりしてヘイトを高めてくれるヒロインも悪くないですが、こんなヒロインもいいですね。 排泄後は人格が抜けちゃってるので抜け殻なんですが、人格の一部を変態人格と混ぜて戻して痴女にしたり、排泄した人格で責め具を作って、責められてる間だけ元の人格を取り戻したり、なんて場面もあり、良かったです。 個人的な好みですが、人格スライムを入れて｢別人｣にしてしまうシーン。 ｢初めてやった｣ではなくて｢二人目｣だったらもっと好みでした。 進行役も言ってから｢あれ、一人目って誰だっけ？｣とか言う感じ。

本作は、｢普通混ぜないだろ｣っていうジャンルを混ぜて作られたパロディ作品です。 絵面の骨子となるのは｢俺らをひたすら甘やかしてくれる淫乱ヒロイン｣ものです。 童貞のまま年を取って、日々仕事に追われ、慰めてくれるものもなく疲れ果てた中年のおっさんを、何故かヒロインがが気に入って、どこまでも優しくしてくれて、色々エロい事をしてくれるジャンル。 これに何をトチ狂ったか、物語の骨子に｢動物｣ものを据え、動物者のパロディとしています。 傷つき弱って死にかけた動物と出会った少女が、これを拾って一所懸命世話をし、その行為のさなかに絆や愛情が生まれるも、やがて元気に強く育った動物は元居た世界に返してやらねばならない。そうして訪れる別れ。 この｢動物｣ポジションに｢中年のおっさん｣が入ります。 物語の骨子は｢動物｣ものなので、ヒロインで語られ、拾った｢もの｣との触れ合いや、そいつが次第に自信をつけ、ヒロインとの間に絆が生まれ育っていく様が描かれます。 が、絵面の骨子は｢おっさん甘やかすエロヒロインもの｣なので、淫魔のヒロインやママ、友人とおっさんがひたすら甘々セックスする絵面。 ヒロイン視点なのでおっさんの｢知性的思考｣は出てこず、四つ足で歩いて、無邪気な動物として描かれます。絵面的にも可愛らしくデフォルメされてて、ホントに｢愛玩動物｣みたい。 ですが｢これではいかん｣と言う思いもあったんですかね。ラストは二本の足で立ち上がり、元の冷たく厳しい世界へと帰っていきます。 恩返しとかは特にないです。話の骨子は｢動物もの｣ですから。 でもそれで終わりじゃないです。絵面の骨子は｢おっさん甘やかすエロヒロインもの｣ですから。 人間世界に戻り、自信をつけたものの別に性豪になったり社会的に成功したりする訳ではなく、汗をふきふき外回り営業だかの仕事に励むおっさん。手首には、別れ際にもらった(？)シュシュが。 そこにヒロインが現れ、飛びついておしまい。 学生服ではなくサキュバスの衣装で現れたので、ここからはひたすら｢おっさん甘やかすエロヒロインもの｣が始まるのでしょう。 題材の選び方も良いのですが、構成力も良いです。 混ぜたジャンルがシーン毎に｢切り替わる｣のではなく、渾然一体となっていて、違和感がないと言うか、違和感しかなくて笑ってしまうと言うか。ともかく本当に楽しめました。

ずいぶん昔の作品なんで、今レビューされても｢知っとるわい、とっくに改善しとるわい｣て作者様も思われるだろなって思うんですが、せっかく購入したのでレビューさせて頂きます。 本作品、サムネがかなり内容を物語っています。 サンプル2枚目的な導入シーンがあり、｢一週間後｣とかモノローグが流れたと思ったら、サンプル3枚目的な｢その後｣が語られます。 導入シーンは｢ただ虐めてるだけ｣、その後シーンは｢堕ち切ったヒロインが竿役と楽しくエッチ｣で、これはこれで｢読者の見たいもの｣かもですが、せっかく原作ものなのにヒロインが堕ち切って変貌しちゃってるので｢ガワだけヒロイン｣の別キャラを見てる気分になります。 ｢一週間｣の間に何があって、どういう経緯でヒロインが変貌したのか？が描かれていたら、あの結末も｢うっひょーあの○○がこんなエロい事に｣てなって価値が上がったと思います。

本作は、なんというかサンプル画像や説明文｢まんま｣の作品です。 多くの方は、これを見て｢より詳細｣が見たくて購入するんだと思いますが、中身もかなり｢まんま｣で、追加要素は｢ラストの1コマ｣ぐらい。 そういう趣旨かどうかは分かりませんが、｢色々並べてみました。この中から人気の作品を掘り下げて完全版作りますので買ってね｣みたいな感じの作品で、これだけ読んでもむしろ｢それでどうなったんだよ！｣て思いが募ります。

1-3通してのレビューです。 物語の筋は、｢性に淡白で性的知識が欠如した天然ヒロイン｣のエルフ娘を、教師という立場から手籠めにしまくって堕とし、最終的に手に入れてしまうというものです。 なんか色々突っ込みどころがある舞台設定ですが、作家様の技量もあって気にならないか、｢笑える突っ込みどころ(＝それ自体が楽しめる要素)｣に昇華してあるのは見事だと思います。 そんなわけでエルフの姫に岡惚れした中年教師は、ひたすらエロい事しまくります。 個人的に｢あまり見かけない部分だな｣と感じたのは、その結末。 この手の作品って、大体ヒロインが堕ちたら｢婚約者なんてどうでもいいのぉ竿役様抱いてぇ～ん｣てなるのが多いように思うのですよね。それをＤＶＤで送りつけて寝取られ彼氏クンに見せつけてEND、そういう結末。 でも今作の主人公は、ヒロインを｢元の社会から放逐される｣ように工作しています。 ヒロインの頭弱すぎだろとちょっと思わなくもないですが、教師の子を妊娠した状態で故郷に帰り、エルフ社会における｢婚約｣という契約で求められる｢処女性｣を失っていた事を咎められて婚約破棄。 実家の面子も丸つぶれですので家からも追い出されてしまい、お腹の子もいるので自裁する事も出来ず進退窮まったヒロインは、主人公の元へと流れつくのでした……という結末。 間男への報復とかないのかなぁと心配になりますがそこはまぁ、エルフの閉鎖性てやつなんですかね。ひたすら内罰的で、基準を満たせない者を排除していく社会なら、そりゃ衰退するわな、と納得。こんな風に世界観を描く方法もあるんだなぁと無駄に感心しちゃいました。 ラストは憔悴しきったヒロインを優しく迎え入れるカット。主人公の卑劣さが際立ちます。ヒロインから全てを奪った元凶としてせめて、ヒロインのその後の人生を幸福なものにしてやってほしいものです。 ……てなわけで、他のレビュア様も｢エロラブのアフターストーリー｣を希望しておられる方がおられましたが、私個人も｢幸福なその後｣｢ヒロインの笑顔｣を見たかったなぁと思います。 が、反面、｢その後は(いびつながらも)幸せに暮らすのだろう｣と期待させつつ、そこまで描くと｢卑劣窮まる主人公の免罪になってしまう｣ので描かないというこのラストも見事だなぁと思うのです。

個人的にゴブ姦て嫌いで避けてたんですが、｢ゴブリンのままだったら…｣というレビュア様の投稿を見て｢なら大丈夫かな｣と購入しました。 話の筋はあらすじの通り。 その手前に、主人公が前世(ゴブリン)で悪行三昧に耽るシーンがプロローグとして入ります。 今作では4人のヒロインの内、主人公(転生後)の姉(タイトル右)と、女戦士(タイトル左)が毒牙に掛かるのですが……なんだかどうも物足りない。 理由は二つあるように思います。 一つは、プロローグの｢前世の悪行｣シーンが良すぎた事。 仲間だと思っている少女たちに取り押さえられ、必死に叫びもがく少女が主人公に犯され、嫌悪感を感じるもすぐ快楽に支配されて積極的に…ていうのは、この手の作品で読者が一番見たいとこなんじゃないかと思います。 こんなものをプロローグでさくっと見せられちゃったら、本編ではどんなすごい物が見れるんだろうと過剰に期待が膨らんでしまうのも無理はないかも。 もう一つは、展開が早すぎる事。 紹介文を見る限り、本作は前後編か、せいぜい三部作ぐらいを想定しておられるのでしょうか。本作と同ページなら100～150ページほど。 エロ漫画としてはそれなりに長編のボリュームではありますが、この手の｢堕ち｣物って、｢堕ちる前｣｢堕ちる途中｣｢堕ちた後｣の3シーン欲しいのですよね。特に主人公にとっては、(因果応報とは言え)命を奪った憎い仇敵なわけですし。 そんなわけで、2ヒロインを一冊で堕とすの急ぎすぎなように感じました。 無駄に引き延ばす必要はないのですが、魅力的なパーツが沢山あるので、話を進める事に前のめりにならず、もっと膨らませてくれたらなぁ、と思ってしまいました。 とはいえ、これは私が勝手に感じた事ですが、陰惨すぎたり残虐すぎたりしないよう｢手心｣があるように思えました。 最初のターゲットは主人公の姉で、元々弟を溺愛していたので、犯して術にかけるシーンも｢思い上がって俺様プレイしてくる弟きゅん｣に萌えて燃え上がるブラコン姉にも見えてきます。 あんまヒロインが可哀想なのはヌけないので、これはありがたいと感じました(物足りなさの原因の一つかもですが)。