肉山肉夫さんのレビュー

既にみなさんが書かれているように、ストーリーは『ネトラセラレ』そのままで、著作権侵害で訴えられてもおかしくないレベルだと思う(笑) が、裏を返せば、それだけ強固なシナリオということだ。まつり嬢は身体は満点、個人的には地味顔も満点で、演技だけちょっと……という印象だったが、この作品はあくまで流される妻の役なので、素のままでうまくハマっている。シナリオに助けられている。 そして、何よりカメラワークが良い。寝取らせる夫の視点の入れ方の按配が素晴らしい。最後のパート、夫のカメラ視点に移った時に微妙に画質を変えるところなど実に気が利いている（きっとスタッフが映画的教養のある人たちなのだろう）。バックで突かれながら夫のカメラを見つめるまつり嬢の映像だけで向こう三十年は抜ける。素晴らしい素材を持ちながら、なかなか良作に恵まれなかったまつり嬢にとって、これが最高傑作だと思う。

射精管理モノで淫語のボキャブラリーが貧弱だったり、女優のノリがいまいちだったりすると一気に冷めてしまうが、この作品は青木玲の知性と微笑が炸裂していて、実によく抜ける。ウケの男の芝居（反応）が苦手な人はいるかも知れないが、個人的には全然アリ。パートナーがＭ男の女性たちはこの作品の青木玲の所作と言葉遣いを学んでほしい。

サンバは素晴らしい。YouTube等に転がっている大学生のサンバ動画は無条件で抜ける（撮影者のみなさんに感謝！）。サンバのリズムに乗って抜ける。 で、この作品である。パッケージは完璧だ。女優さんのビジュアルもキャラクターも申し分ない。サンバ愛好家として興奮しながら即購入して鑑賞したが……なんだか抜きづらい。すごく普通のAVなのだ。サンバ女子という設定でいくなら、シナリオにもう一工夫、二工夫ほしい。女子大生がサンバサークルに勧誘され、はじめて衣装を着るところから見たい。ドキュメントのように見たい。「人前で肌を露出するなんて……」とかなんとか彼氏に反対されたりしてほしい。で、ちゃんとサンバのステージ本番を見たい。おじさんたちに撮影され、視姦されながら踊る主人公。やきもきする彼氏。でも主人公の身体は火照り、解放されていき……ステージが終わったあとのテンションのまま本番。そんなサンバものを、この女優とこの衣装で作ってほしい。

NTRモノのAVや漫画は好んでよく見るが、話の展開がリアリティから飛びすぎていたり、芝居が大きすぎたり、いつも何かしら不満があったけれど、このボイス作品は完璧。頭の中で自分の妻（や恋人）に違和感なく置き換えて鬱勃起できる。シナリオも声優さんも素晴らしい。 この声優さん、このシナリオのクオリティーで、推し活にハマった人妻がその推しに寝取られたことを夫に報告する、みたいな作品を聞いてみたい。自分より外見も知名度も収入もはるかに上のアイドルとか俳優の男と比較されながら抜きたい。

リリース当初は女の子が役者の田畑智子に見えてしまい、一旦田畑に見えると会話している顔もアクメ顔も田畑に見えてきて、まったく抜けず、そのまま放置していた。が、数年ぶりにふと見直してみると、自分のストライクゾーンが広くなったのか、めちゃくちゃ抜きやすい寝取らせ作品だった。はじめの洗濯物等でごちゃついたワンルームの部屋の感じも、寝取らせ現場のマットレスしかないいかにも「ヤリ部屋」といった空間とのコントラストを引き立てていて、美術から芝居、シナリオまで実によく作り込まれている。寝取らせ中にいったんカメラを止める、というギミックも（ある意味お約束だが）本物らしさに繋がっている。もしかしたら本物の寝取らせ記録なのかも…と思わせるだけの仕掛けがある、丁寧な作品。名前は知らないが、淡々と寝取る坊主の俳優も良い。

女の子たちの人選、ノリ、ファッションなどスタイリングにはこだわりが見えて、ギャル系雑誌のモデルたちが乱痴気騒ぎをしているのを観ているような多幸感があるのだが（国見奈々が良い！）、おそらく照明（とメイク？）のせいで、表情にコントラストがつきすぎている。（設定とはいえ）女子高生にも見えない。

マイクロビキニオイリーダンス2本編リリース記念のイベントとのことだが、エロダンスの到達点とも言うべき本編と比べると作り込みが甘く、見所も少ない。本編で仕上がっていたSHAKAの肉体が、イベントではパッとしない。ダンスのノリもいまいち。

コギャル✕ルーズソックス全盛期に暗い青春時代を送った。泉麻那のようにこんがり灼けたギャルを街で見かけることはあれど、知り合う機会はなく、ある意味異星人のように眺めていた。性的対象として見ることはなく、どちらかと言えばヒロスエを筆頭にアイドルのアイコラをオカズにしていたクチである。 しかし、泉麻那の作品を見て、その価値観が完全にひっくり返った。あまりにもエロい。エロすぎる。機関銃のように繰り出される淫語の数々。まるで凶器のように尖ったネイル。汗で光る美しい褐色の肌…。泉によって、黒ギャルへの扉か開かれた。ギャルは頭が悪いと勘違いされがちだが、これだけ淀みなく淫語と性技を繰り出せる泉は、間違いなく賢いし、気が利く女性である。この作品は、そんな彼女の魅力が存分に発揮された傑作。願わくば死ぬまでに泉みたいな美しく賢い黒ギャルにペニバンでガンガン突かれたい。

女子高生エロダンスもので光っていたので単体作品も購入したが、いざ一人で出てくるとインパクトが足りない。低身長に巨乳というカラダのスペックは申し分ないし、（好き嫌いは分かれるだろうが）少し出っ歯の小動物的なルックスも可愛らしい。しかし、プレイにこれといった特徴がない。あるいは、もっと明るくてくだらないプロットの、笑えるエロビデオなら彼女のキャラが活きたのかも知れない。

ダンスビデオのレビューを書こうとしたら、マイクロビキニ等の名作は軒並配信中止になっていた。こちらの作品は、既にレビューに書かれている方がいるように、ダンスのクオリティは低く、ガチで踊っているエロダンスビデオを期待すると肩透かしを食らうかも知れない。ただ、若くてかわいくてスタイルのいい女の子が集まって、笑顔で楽しそうにはしゃいでいる、という多幸感は捨てがたい。ローアングルからしっかり被写体を狙っており、実用性も高い。特に来栖あさみという童顔地味顔巨乳の女優がいい。彼女の明るさが他の子たちにも伝播し、いい空気を生み出している。

高画質で整ったアイドル顔の女優のいたしている姿を見るのはたしかに素晴らしい。だが、音楽や映画、その他カルチャー同様、一昔前の作品の中にも良いものはある。その作品に触れた頃の自身の境遇も相俟って、懐かしさとともにエロが加速する。そう、いわゆる懐エロである。 ぽっちゃりと巨乳の狭間を攻めるギリギリのスタイルとアニメ声、整ったルックスで２０００年代前半のAVシーンを席巻した春菜まい。いま見ると制服も安っぽいし、本人も周りの男優女優もオーバーアクト気味だが、そういった疵が気にならないぐらい、まいまいのヤラれっぷりが良い。代表作のひとつだと思う。

菅野真穂はルックス、スタイルは自分の好みのド真ん中なのだが、演技がうまくないので、複雑なストーリーや突飛な設定だと無理が生じてしまい、抜きにくい。その点、この作品は寝取られものとはいえシナリオはシンプルで、とにかくいかつい男にヤラれまくるだけなので複雑な芝居も必要なく、純粋に彼女の適度に弛んだ淫靡な肉体に集中できた。 妻が自分が応援している有名人に寝取られていた、というプロットも実は秀逸で、ぜひシリーズ化してほしい。アスリートも良いが、バンドマン寝取られとかも見てみたい。

いきなり個人的な話になるが、尻にできもののある女優とリスカ痕のある女優、露骨な整形顔の女優が苦手だ。どんなにプレイが良くても抜けない。 しかし、この作品の玉木くるみは、できもののある汚い尻を晒しているのに、メチャクチャ抜ける。尻の肉感と声、カメラアングルが秀逸。男優たちも衒いなくエロ漫画的な台詞を乗りこなしていて素晴らしい。その庶民的なルックス、手入れのされていない尻が、むしろ「粗末に扱ってもいい、ヤるためだけの女」としてのリアリティに繋がっている稀有な作品である。

この頃のみづなれいのルックスは素晴らしい。ほぼ佐々木希である。ほぼ佐々木がひたすらイラマする（させられる）のだから悪い作品になるわけがない。が、全体的に緩急にかけるのが玉に瑕。この手の作品は、イジメ側にいるガヤの女優の力量が問われる。彼女がもっとノリノリでプレイに参加してくれていたら、名作になったはず。

サッカーではクラブチームで結果を出している名選手が、なぜかナショナルチームではコンビネーションがうまくいかず実力を発揮できない、ということが間々ある。かつてのイングランド代表のジェラード、ランパードはその代表的な例だろう（スコールズを加えてもいい）。 AVにも同じことが言える。レーベルの枠を越えてスター女優が夢の競演！をしたはずが、なぜか抜けない…みたいな経験は誰しもあるのではないだろうか。 しかし、この作品はそんな期待を裏切らない。むしろハードルを軽々と超えてくる。川上ゆうと杏子ゆう、Ｗゆうが男優を、互いを競うように責め、高め合い、単独作品以上のエロスに到達している。間断なくつづく性技も淫語。複数女優作品は、こうでなければいけない。

いまさら自分があえてレビューを書くまでもない、寝取られAVの新たな流れを生み出した記念碑的作品。加藤あやのの美しい肢体、蕩けるような目に完全にヤラれた。このあと彼女の作品をいくつか集めたが、この作品を超えるものはなかった。そういう意味でも、女優のポテンシャルを最大限に引き出した監督、脚本家、男優を高く評価したい。この作品に限らずだが、寝取られビデオを見てしまう夫（妻の不貞を知る夫）の表現は、もう一工夫ほしい。無駄にオナニーしている夫のシーンをインサートするのは法律で禁止したい。

作品自体はバカバカしくて楽しい、この時代に量産された企画モノだが、特筆すべきはサムネイルの6-10枚目のしずかちゃん（地味顔ロングヘア、鼻の下に小さなホクロのある巨乳の女の子）。AVで本物の素人（っぽい子）を見たのはたぶん彼女が初めてで、発売当時は狂ったように抜いた。反応は悪く、いわゆるマグロ状態なのだが、そこがいい。真面目そうな雰囲気なのに乳輪がでかいのもいい。今頃誰かと結婚したりしているのだろうか。SEXも上手になっているだろうか。などと想いを馳せながらときどき見返す作品。しずかちゃん、復帰してくれないかな…

十年以上前の作品だが、いまだに色褪せることのないチクニスト（乳首が性感帯の者）必修の名作。甘く粘っこい言葉責めとほぼ指先の乳首弄りのみで射精へと導くラストチャプターは、もはや芸術の域に達している。